降り注ぐCoccoのすべて

Cocco『エメラルド』
2010年08月11日発売
ALBUM
Cocco エメラルド
こんなアルバムには、一生に何度も出会うことはできない。Coccoという、ひとりの歌い手が全存在をかけて作り上げた、改めてのデビューアルバムとも言うべき作品だ。

かつて『ブーゲンビリア』という彼女の97年のファーストアルバムは“首。”“カウントダウン”“走る体”というひとりの女性の剥き出しの愛情と殺意が激しく鬩ぎ合う、凄まじくへヴィな3曲で幕を開けた。いきなり力一杯、素手でぶん殴られたような衝撃だった。今回の『エメラルド』は、7枚目のアルバムにして再び“三村エレジー”“ニライカナイ”“蝶の舞う”というへヴィな3曲で始まる。しかし、そのへヴィさはスケールが全く違うものになっている。ひとりの女性の視点を遥かに超えた、とてつもなく巨大な愛情ととてつもなく巨大な殺意が、澄み渡りながら洪水のように溶け合っている。13年前とは違う形でCoccoが再び多くの人の心を揺さぶり始める、鮮烈な幕開け。

ラストの“絹ずれ~島言葉~”まで全14曲で、彼女は自らがどこからやってきてどこへ行くのかすべてを曝け出しながら聴く者に揺るぎない救いをもたらす。とてつもない傑作。(古河晋)
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