歌うラッパー、クレバの夢
KREVA『KREVA CONCERT TOUR '09-'10「心臓」ROUND3 横浜アリーナ 《BOX EDITION》』
2010年08月18日発売
DVD
ソロデビューした6年前から、KREVAはずっと「歌」にこだわってきたラッパーだった。ポップアーティストとして、楽器の弾けない自分がどこまで表現の幅を広げられるのか。神業級のラップスキルを持つだけに、それは彼の大きな課題であり続けた。クレバ流の傑作R&Bアルバム『心臓』を完成させて、次に彼が挑んだこと。それは彼の「歌」の強度をツアーでもっと高めていくことだった。このDVDに入っている横浜アリーナ公演は、規模ごとに4つの「ROUND」に分けられた半年のツアーの、まさに終着点のファイナルである。とはいえ、だからといって特別な足し算はほとんどなし。ブレイクビーツと、サンプラーと、スクラッチを操るDJ3人衆の前で、KREVAひとりが『心臓』の曲から“希望の炎”まで、キャリアを順に遡っていくようなセットリスト。その後、ヴォコーダー弾き語りの“Tonight”が響き渡る光景は、彼が単なるツアー成功以上の結果を手に入れたことを、堂々と告げている。特典には、ツアーのプレ公演「ROUND ZERO」の模様も収録。これと見比べるのもグッとくる。(松村耕太朗)
2010.08.16 22:00