グレイト・ホワイト・ホエールカナダ出身の5ピースバンドの1stアルバム。ポスト・スクリーモというカテゴライズをされているようだが、彼等の実験的な姿勢をその一言に収めてしまうのはちょっと勿体無いかも。1本の流れではなく、点描画を描くように一音一音確かめながら作った密で厚い音は隙が無く、エモを軸としながらも決して感情論での直球勝負じゃない。「激しいけど丁寧」とでも言うべきメロディはどこか深遠だ。M6では意味不明な言葉が頻繁に登場するし、クリスチャン色が強いレーベル所属だし、今作はメルヴィルの『白鯨』に影響されて作ったものだというし、もしや宗教テーマが隠されているのか?と思ったのだが、彼等のテーマは「孤独」で「知っている事、経験した事を書いただけ」だそう。ただの考えすぎだったのだが、つまりはそんな風に深意を探りたくなってしまうほど彼らのこだわりが歌詞、音、アートワークにぎっしり詰まった作品なのだ。アルバム・タイトルのような、冷たい海を雄々しく泳ぐ鯨を連想させる壮大さと知的さがある音楽。決して天才や奇才といった類ではないのだろうが、その弛まない職人気質には目を瞠るものがある。(上田南)