基本的に、私は常に新しいことに挑戦し続ける無茶やたらにチャレンジャーなバンドが好きなのだが、しかし例外が3つだけある。モーターヘッド、ラモーンズ、そしてこのバッド・レリジョンだ。彼らは唯一無二にして完全なる個性を確立した、稀有にして偉大な存在である金太郎飴大上等! そんな中リリースされた本作『ディセント・オブ・マン』は、なんとバッド・レリジョン通算15枚目にして、デビュー&エピタフ・レーベル設立30周年記念作品……こうして改めて記すとやはり「どんだけー」と言わずにはおれない心境になってくるが、彼らの凄さは、この年数の中にあってバリバリの現役感を貫いているところというか、キッズの心を決して忘れない忘れるつもりもない爆走アプローチが一貫して取られているところ。そしてそういった意味で、彼らは挑戦者であり続けてもいるのである。初心を踏まえる1stシングル“デビル・イン・ステッチズ”を含む全16曲に、日本盤初回限定で名曲てんこ盛りな全17曲ものライブCDを加算した本作。泣いて泣いて泣き濡れる号泣メロの暴風雨に、私と共にまんまと翻弄されて頂きたい。(中込智子)