遂に、遂に！　磯部正文が、1stソロアルバムを完成させた。ヒダカトオルのプロデュースのもと、書き切れないほどの豪華なサポートメンバーを迎えて制作された今作。先行シングル『Do we know?』を聴いても、その後に取材したり、ライブを体感したりしても、今回のプロジェクトの明確なコンセプトは貫かれていた。それは、心地いい疾走感とキラッキラなメロディを纏っていたHUSKING BEEの魅力を、2010年の形で蘇らせるということだ。ハスキンと共に青春を過ごしたキッズにとって、過剰な期待を抱くほど嬉しいことだったが、磯部はアルバムでも見事にもそこに応えてくれた。メロディもビートも、あの頃のようにいきいきと躍動している。それでいて、キーボードを取り入れた楽曲が多いあたりからは、ヒダカによって開かれたであろう新たなポップセンスが感じられる。そして、英語中心の歌詞には、「歌」「メロディ」「リズム」「ステージ」など、彼の音楽に対する思いが、以前よりもストレートに表れている。封じ込めていては勿体ない、素晴らしい才能が、今、再びキッズを突き動かしだす！(高橋美穂)