LAST ALLIANCEはドラマ性の塊だ。曲が展開する中でリスナーのイマジネーションを天井知らずに刺激し、心拍数を上昇させ続ける。久しぶりのアルバムである本作は、その魅力が抜群に研き上げられている1枚だ。1曲目“BLUE LIGHTNING”を聴くや否や、身も心も音が発せられているスピーカーの方に完全に向いてしまう。この絶大なスピード感と美メロは、問答無用の快感だらけ！あらゆる曲に言えることだが、LAST ALLIANCEの音楽には畳み掛けとコントラストの美学がある。叙情的なメロディ、スピード感などを全開で連発する畳み掛けの技、静寂／迸り、タメ／爆走、キレの良いビート／柔らかなメロディ＆ハーモニーといった劇的コントラストを、彼らは曲の中で織り上げる。同種の刺激を巧みに畳み掛れば、当然ワクワクはエスカレートし続ける。コントラストを美しく煌めかせれば、相反する要素の両方が生々しく際立ち、やっぱり激しくワクワクしてしまう。こういう技を利かせて絶大なドラマ性を実現する彼らのソングライティング、プレイは、本当にカッコ良い。（田中大）