90年代初頭に名門サラ・レコーズからデビューを飾ったブリストルのシューゲイズ・バンド。その後、約10年の活動休止をへて04年に編集盤、そして4年前に2ndをリリースし復活を遂げた彼らの、本作は結成20周年を祝福するニュー・アルバムである。復活と言えば、本作と同時期にシーフィールも15年ぶりのアルバムをワープから発表するが、シューゲイズからエレクトロ・シューゲイズ、さらに電子音響的な展開を見せる両者のサウンドは、背景こそ違え時代を共有した符合を感じさせる。実際、本作の音楽的な広がりは単なるシューゲイズの域に留まらない。2ndで進化を遂げたポスト・ロック的なサウンド・スケープ~オーケストラルな音の構築を昇華し、さらなる深みを備えた音楽世界を披露する。浮遊感とアンビエンスに満ちたギターとボーカルが縁取るシューゲイズの美観。それは損なうことなく、例えばその背後で電子音が複雑なパターンを刻むM7、アコギとドラムンベースが淡くユニゾンするM3など、全体的にエレクトロニックな要素が増し、サウンド全体を特徴的に彩色している。“時代を超える”とはこういうことだろう。(天井潤之介)