あんたら日本マドンナに気付け!

日本マドンナ『月経前症候群 ~PMS~』
2011年01月19日発売
MINI ALBUM
村上春樹の小説を読んで、文学としてどうの語る以前の問題として、人間はこんなじゃない、世界はこんなじゃない、とはっきり自分の言葉で発言する歌を収録したファースト『卒業制作』で登場した3人全員10代のガールズバンド・日本マドンナ。学校でずっと居場所のないまま、差し伸べられる手をはねのけ、蔑む視線に唾を吐き、蓄積されてきた本音が、原液のままその音楽からは溢れ出している。音はパンクだが、きっとパンクをやろうとしてそうなったのではなく、人に音楽としてどうの語らせない音楽を鳴らしていたら無駄に綺麗なものがすべて削ぎ落とされて必然としてパンクになったのだろう。綺麗に包装された「音楽」が聴きたい奴に用はない。でも「ここだけ」に居場所を感じられる人たちが必ずいる。その人たちすべてに届くまで突き進むしたたかな強さが彼女たちにはある。このセカンドは、より誤解を招くほどあからさまに過激な曲が多い。《浮かれるバカに徴兵制度を》《私は豚です食べられるワ》《何度脳内の中で人を殺しただろう!》。でも人間はこんなだ、世界はこんなだ、とスッキリ楽しくなる。(古河晋)