3人編成になってから初のフルアルバム。良い！　この編成では昨年の12月にミニアルバムを既にリリースしていて、あれも最高にカッコいい作品だったが、今回も堪らん。聴いていると心も身体もどうにも止まらずワンサカと動き始めるのは何故？　この発作の原因こそが、タイトルに掲げられている「Heavy Polysick」という病なのであろう。ポリシックスは胸に深く沁みる抒情的なメロディを紡ぎ出す面も、実は時折鮮やかに発揮する。しかし、3人編成になってからのポリシックスは、「ノリ」の切れ味の良さを重点的に研き上げている印象がする。今回のアルバムもまさしくそうだ。カクカクしたビートが煽る激しいダンス欲求、直線的に鼓膜に突き刺さる電子音のモノノケじみた刺激、つんのめりそうなスリルを帯びつつも不思議と軽やかでスポーティーな展開、浴びてもハヤシと共に叫んでも無条件に気持ち良い魔法のような響きの宝庫である歌……これらを次々と遠慮なくスパークさせる全13曲に対する免疫を持っている人類は、おそらく皆無であろう。感染者が続発する様を想像するとワクワクする。（田中大）