今年、シングル“COOL MUSIC”でデビューした、名古屋発のブラス・ロック・バンド、ゴルベティーが１stアルバムを完成。豪快にエンジンをふかし発進する車の音、それも、イカツイけれどいかした大型バギーでにぎやかに走り出すタイトル曲“BETTY’S BUGGY”で、作品はスタートする。「走りにくい砂浜でもしっかり地を蹴り突き進むバギーは、今のゴルベティーそのもの」という思いを込めた、アルバムを象徴する１曲目だ。

２作目のシングル“Crystal／99%”ではアッパーなパーティ・チューンやスカ要素ばかりでなく、様々な音楽要素やアイディアを１曲に凝縮し、めくるめく多彩なサウンド展開で楽しませてくれたが、アルバムでもその勢いはさらに加速。彼らの音楽には、原色の色を奔放に重ねていくパワーがある。アートワークを手がけるG-YUN（Vo）の絵そのままのサウンドだ。やりたいことはとことん。10の思いがあれば、10の色で100%表現する。この明解な姿勢が曲の明るさに繋がっている。迷いのない思いきりよさでデコボコ道をも乗りこなすパワーが、音にもメッセージにも宿っている。（吉羽さおり）