ポップ・パンクだったりエモだったり、作品を出すタイミングで呼ばれる名前は変わっても、ゼア・フォー・トゥモローは自分達のやりたいロックをまっすぐに追求してきた。08年にEPでデビュー、翌年初フル・アルバム『ア・リトル・ファスター』をリリースし、昨年末のリミックス盤を経てのセカンドには、彼らがこれまで持ち続けてきた強い意志と自信が漲っている。新作のリリース前に、スタジオでのライブ・セッションのビデオがアップされて次々と新曲が披露されていたのだが(それだけでもかなりの自信)、ぐっと大人っぽくなったサウンドとともに、メンバーの顔も以前に増してきりっとしていたのが印象的だった。特にマイカのボーカルが目覚ましく進化していて、こんなに歌える人だったんだと驚いたくらいだ。今年の夏はワープト・ツアーに全日程参戦が決定しているし、バンドもオーディエンスも若いけれど、フレッシュなエネルギーの中にもどこか憂いのあるメロディとドラマチックな曲展開が魅力で、今作の曲にはAORのラジオ局でも人気が出そうなものもあったり、幅広い層に届く可能性を宿したアルバムだ。(網田有紀子)