レット・ミー・イレース・ユーこのエレメンタル・ゲイズ、バンド名がなんだかプライマル・スクリームみたいだなとか、出身がインドネシアという、電子音楽のみならずロック・ミュージックとは馴染みの薄い印象の国であることとか、そういう表面的なトピックに最初はやはり目がいってしまったわけだが、肝心のサウンドはというと、これがまたびっくりするくらい内省的且つハートウォーミングなエレクトロニカ。どことなくボーズ・オブ・カナダを彷彿させるくぐもったベースラインの上でドリーミーなメロディがたゆたい、ぱきっとしたタイトなドラムが全体を引き締める。エレクトロニカの新人が陥りがちなフラットさはあまりなく、メロディ・ラインはシンプルで、むしろポップスよりの親しみやすさがある。ひんやりとした金属音のなかからほのかな温もりが伝わってくる、メロウなベッドルーム・ミュージックだ。
フアド・アブドゥルガニ、ラトフィ・クルニアヂ、ビルフィアン・スギアナによる3人組。もう一息パンチを効かせてほしい気もするが、まあデビュー盤だし、かの地からこんな音楽が日本に届けられただけでもちょっと嬉しいのでよし。(林敦子)