脱マニアックの1枚

メイヤー・ホーソーン『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ』
メイヤー・ホーソーン ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ
2年前に発表した前作で、黄金期モータウンやフィリー・ソウルの洗練されたポップネス~ムードを再構築して話題を呼んだ(モーター・タウンことデトロイト出身との来歴も泣かせる)、新手のブルー・アイド・ソウルのクリエイター。シナトラを彷彿させる細いタイ+粋なスーツ+太縁眼鏡という本人の60年代ルックやビッグ・バンドを率いてのライヴも含め、レトロの普遍性を器用にパスティーシュする手際は、マーク・ロンソン(とエイミー・ワインハウス仕事)が思い浮かぶほどだ。メジャー移籍となる新作は、甘さと苦みがスムーズに溶け合うソウル・ラヴ・ソング集の基本路線はばっちり維持しつつ、スヌープ客演曲他、ヒップホップやモダンR&Bの理解も随所に鳴っている。トッド・ラングレン、ホール&オーツ、ビリー・ジョエルら、アメリカならではのソウルフルなシティ・ポップ/ロックの伝統をニッチに継承してくれるか?と密かに期待してもいたが(その意味で、スティーリー・ダンのオマージュM2やM6、M12のフュージョン味は納得!)、当人はここらで「(オタク気味な)レトロ野郎」のレッテルを剥がしたいのかも。(坂本麻里子)
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