これがデビュー・アルバムになるミネソタ生まれの女性シンガー・ソングライター。12月には来日公演も決定と注目の高さが窺えるが、それも本作を聴けば頷ける。全楽曲が共作曲となり、その相手もボブ・ディラン、バート・バカラック、キャロル・キング、カーリー・サイモンなど豪華な顔ぶれ。提供ではなく共作というところがミソで、つまりそれだけ彼女が認められた才能という証だろう。高校時代にジャズ・バンドで活動し、同時代のヒップホップに親しむ傍ら、大学では本格的に曲作りを学び、今回のデビューに先駆けてスヌープ・ドッグらと共にルーペ・フィアスコの作品への楽曲提供も経験。そうした幅広いバックグラウンドは、ポップスやカントリー、フィリーソウルやゴスペルなど多彩な表情を見せるサウンドや歌唱に投影されている。なかでも、ロネッツの“ビー・マイ・ベイビー”を世に送り出したジェフ・バリーとのM6が好み。華やかで水準が高く、いつの時代も口ずさめるような大衆性は彼女の大きな魅力だろう。錚々たる巨匠たちの手を借りながらも、自然体にこなす闊達なさまは天性のものか。これからが楽しみ。(天井潤之介)