昨年からKitsuneが展開しているコンピ・シリーズの第2弾で、ジルダとアンドレが監修するパリ～フランス各地出身のアーティストをピックアップ。前作から続投のゴージャスなフレンチ・エレクトロを鳴らすビートキューや、アンニュイな女性ヴォーカルが印象的なポップ・ユニットのエグゾティカをはじめ、全14組の楽曲が収録されている。性急なダンス・ロックで話題を呼んでいるジューヴナイルズ、本作のためにスペシャル・ミックスされた楽曲を提供するアウレ、フレンチ勢の感性を形にしたラップ・チューンに注目のウルフパック・ベアトラックなど、多種多様な楽曲を筋の通ったコンピとして聴かせる手捌きはさすが。
　
なぜフレンチ勢限定のシリーズを立ち上げたのか、という点について考えてみると、地元の若い才能をフックアップしたいという想いは第一にあるとしても、現代社会の情報スピードについて回るトレンドの画一化を恐れた結果、アーティスト発掘の焦点を絞るために出身地を限定してみた、という試みがあるのではないか。ジルダ＆マサヤの舵取りの鋭さには、2010年代も引き続き学ぶべきものが多そうだ。 (小池宏和)