風にのって宇宙まで

宇宙まお『 風とどこかへ』
宇宙まお  風とどこかへ
宇宙まおの才能は、みずみずしくておそろしい。それは彼女自身はもちろん、他の誰にもその才能の大きさがわかってないからだ。子供から老人まで年齢性別問わずかっさらっていく普遍的な楽曲、あどけないが芯の強い伸びやかな声。その音楽的才能はもちろんのこと、彼女から目が離せないのはやはり「何にでもなれる」可能性だろう。
バンドとしてRO69JACKに入賞経験もある武蔵野美大出身の22歳。初ミニアルバムとなる今作はプロデュースに會田茂一を迎え、ポップからカントリーフォーク、バラードから情念迸る歌謡パンクまで全開放された6曲を収録。未完成であることをひるまず武器にし、ポップにきちんと向かっていく。この凛とした表現は、とても貴重だ。多くのミュージシャンが自ら歌う意味を問いただすことになった2011年、彼女はその答えを知ってでもいたかのように、音楽が生まれる喜びをいきいきと描き始めた。ロックの神様の忘れ物を枕元で見つけ、掴まえて走り出す“ロックの神様”を聴くとそう確信する。この初々しいスタートダッシュに出会えたあなたは幸せだ。(井上貴子)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on