ザ・コスモス・ロックスフレディ亡き後のクイーン残党組のブライアン・メイとロジャー・テイラーのふたり(ジョン・ディーコンは引退したまま)とポール・ロジャースによる特殊編成版クイーン。05年からライブ活動を始めてから、ついにこうして新作まで作ってしまったわけだが、これをいまさらクイーンではないと言ってもしようがない。むしろ、クイーンというロック史上最も特異なバンドをやっていたため、キャリアの立て直しようなどありえなかった残され組ふたりと、70年代ロックを代表する伝説的なボーカリストのひとりでありながら、バッド・カンパニー解散後はぱっとせずに今まで評価がいまいちだったポール・ロジャースとが手を組むのはある意味で妥当な活路の見出し方だということに注目すべきだ。ミュージシャンであるからには、やはり活動は続けたいはずだし、サウンドやイメージがいくらミスマッチでも、それぞれがキャリア的に難破船的なものを抱えていることを考えれば、この三人が手を携えることは決して不自然なことではないのだ。それに、このアルバムのバンド名に嘘はない。なぜなら、本当に内容はクイーン+ポール・ロジャースというものだからだ。クイーン的なブリティッシュ・ロックやシアトリカルなロックが鳴るかと思えば、バッド・カンパニーみたいなブルース・ロックが鳴り出し、あまりにもそれぞれの身上に忠実で潔い。そんな無理矢理なケミストリーの中からひょうたんから駒的に生まれた、なぜかエルトン・ジョン的名曲“グリッター”など意外とヒットするかも。(高見展)