09年に発表されたセカンドは、彼の言葉によれば「リラックスしたもの」。人目を意識せずスタジオ・ワークに凝ったものだった分、クラブ・ミュージック的なインパクトは弱かった。でも良かった! “炎上”を意味する『フラッシュモブ』というタイトル/コンセプトもジャストだったし、ストレンジ極まりない音像が、ぼくにとってはポスト・パンク期の狂ったような(当時“インダストリアル”と呼ばれた)サウンドを思いださせてくれた。
このサードでは一転、ライヴもしくはフロアを強く意識。ヴォーカル・パートが一気に減って(奇妙な味もばっちり残しつつ)パワフルに! で、タイトルは『レイヴ・エイジ』。70年代末以降の(異端)ダンス音楽史を一気にふりかえる……などという意図はたぶんないだろうが(笑)そう評したい存在感!(伊藤英嗣)