人が亡くなってから命日に集まるのではなく、その人が生きているうちに、誕生日を祝いたいという、そんな金井政人（Vo・G）の想いから作られた“Jeffrey Campbellのスケートシューズで”。メロディを短く切ってダイナミックなサウンドと共に軽快さをハジけさせる、BIGMAMA王道系のアレンジがライヴでも盛り上がりそうな1曲だ。誰かに想いを形にして渡すことのワクワクした気持ちが曲いっぱいに溢れている。何より、黒いスーツを着てもう会えない人に会いに行ったことをきっかけにしながら、最終的には街で可愛いJeffrey Campbellのスケートシューズを見つけたから君の誕生日にあげたい、という着地点で曲を書くところが金井のポップでお洒落な、アーティストとしてのセンス。更にカップリング曲は「人にはいつも勝ち負けがついて回る」というシリアスなテーマであるはずなのに、いつの間にか犬や猫が出てきてバウワウ、ニャンニャン。根っこにある真摯で普遍的なメッセージを、毎度クリエイティヴィティ溢れる楽しい楽曲に仕立てるBIGMAMAへの信頼が高まる、この冬必聴の2曲だ。（上野三樹）