最新アルバム『望郷』を5月にリリースしたばかりのcinema staffが「TVアニメ『進撃の巨人』後期エンディング用の書き下ろし」&「プロデューサー・亀田誠治と初のタッグ」という2つの新機軸に挑んで生まれたシングル曲“great escape”。冒頭から悲鳴か慟哭のように噴き上がるギターの響きと性急なリズム、そして切迫感の結晶のようなメロディと楽曲……そもそも「今この瞬間を自分はどう切磋琢磨しながら生きるべきか」という命題を歌詞世界のみならずアンサンブルにも内包し、だからこそカオティックな爆発力の中にも常に凛とした輝きを放ってきたシネマの音楽が、「壁の外へ」「長い夢」といった『進撃の巨人』のストーリーとのリンクを思わせるフレーズすら自らの音世界に取り込んで、ひときわ壮大なスケールの風景を描き出していることが、聴いた瞬間にびりびりと伝わってくる。メジャー・デビューから『望郷』に至る日々の中で己の表現を鍛え上げ突き詰めた4人にとって、この輝ける歌とソリッドで熾烈なバンド・サウンドはまさに確固たる必然性の下に生まれたものだ――と思わせてくれる名曲。(高橋智樹)