これぞギタポ、というかネオアコ、という感じか。いかにもグラスゴー出身らしいシンプルで土臭くて飾らないポップスである。どことはなしに漂うノスタルジックな匂いは80年代的な音楽スタイルが否応なく放つものかもしれない。80年代はこういうバンドがいっぱいいたし、世が世であればポストカードとかクリエイション、あるいはチェリーレッドあたりから出そうな音だが、これがかっての暗黒城4ADからのリリースというのも時代の流れだろう。
4年ぶり5枚目のアルバム。前作と比べると、キーボードが前面に出てややソフィスティケイトされた印象だが、「垢抜けないベル&セバスチャン」といった感じのある種の純朴さのようなものをいまだに残しているのは貴重だ。ちょっとトレイシー・ソーンやサラ・クラックネルを思わせるハスキーな声は魅力的だが、奥底にクールな絶望感を秘めたエヴリシング・バット・ザ・ガールやおしゃれなセイント・エティエンヌよりずっと健康的かつエモーショナル。これといって際立った楽曲がないのと、ストリングス・シンセの音色が安っぽいのが惜しいが、このまま長く続けてほしい。 (小野島大)