ヒステリックスちょっと信じられないようなポイントだらけのバンド。まずボーカルのエヴァが、透明感ある歌声を開かせたかと思うと、可愛い女子の風貌とは裏腹の破壊的なデスボイスで叫ぶ。新種のスクリーモかと思えば、思いっきりエレクトロ・サウンドがフィーチャーされている。まあでも最近はエンター・シカリとかハドーケン!とかいるからそういう方面の新人なのかな、と思いきや、曲によってはもろにプログレッシヴ〜ジャズ・ロックだったりする。変拍子上等。高速ビートに乗せた複雑なフレーズだけでなく、居合い抜きのようにリズムから外れたリフの応酬を見せたりもする。ポスト・ロック的な「静→動」のダイナミズムもある。特にアルバムの中で一番最後に書かれたという“ナイン”の偏執狂的な展開の激しさは凄まじい。何より驚くのは、これだけ情報量の多い音楽をやってる5人が、まだティーンエイジャーだということ。
英シェフィールド出身、06年にリリースされた限定EPと激しいライブで評判を集めてきた彼らのデビューアルバム。衝動を衝動だけで終わらせない超絶的なテクニックには本当に目を見張るものがある。(柴那典)