武道館ワンマンまで約4ヶ月!メンバー全員で語る「ROAD TO BUDOKAN」

2015年11月27日、「挑戦 㐧七夜」と題した初の日本武道館ワンマンを開催するグッドモーニングアメリカ。その舞台に向けて、彼らは現在「ROAD TO BUDOKAN」というテーマのもと、まるで自分たちの歩んできた道をひとつずつ確かめるようにライヴを行っている。地元・八王子で行った初のホールワンマン「挑戦 㐧六夜」、その八王子で切磋琢磨し合ってきた盟友TOTALFATとの大阪城野音2マン「凌ぎ合うvol.6」、そしてグッドモーニングアメリカを育ててきた全国のライヴハウスで、本当の意味で「仲間」と呼べるバンドと2マンを行う「凌ぎ合うツアー」。「挑戦」も「凌ぎ合う」も、かつてグドモが開催していた自主企画のタイトルである。そうやって原点を見つめ直した先にある武道館で、彼らは何を見せたいと願うのか? メンバー全員で、「ROAD TO BUDOKAN」に込めた思いをたっぷり語ってもらった。

司会・撮影=小川智宏

結成した頃に年表みたいのを書いてたんですよ。向こう5年分くらいの。そのいちばんケツに日本武道館っていうのがあった(渡邊)

──「inトーキョーシティツアー2014-2015」のファイナル、Zepp Tokyoで武道館ワンマンをやることを発表したじゃないですか。会場のヴォルテージもすごいことになっていたんですけど、あの時のことは何か覚えています?

金廣真悟(Vo・G) あそこで発表した時ですか。

渡邊幸一(G・Cho) 結構バタバタしてましたからね、実は。発表の段取りを組むのに。急遽ツイキャスでライヴ来れない人にも届けたいねって話になって、それも初めてのことだったし。

金廣 生放送みたいなもんだったので、とりあえず自分がしなきゃいけないことを、忘れちゃいけない、忘れちゃいけないっていうのをすごい唱えてましたね(笑)。

渡邊 DVDにもその模様が入ってるんですけど、それを見て、すごい思い出して。当時、やってる本人たちは必死だったんで、あんまり覚えてないんですけど。DVD見たら、お客さんの声とかワーッてなってて、あ、成功して良かったなってすげえホッとしました。

金廣 その武道館への一歩としてのサプライズは成功したなっていうのは思ったんですけど。そん時の気持ちとしては、おお、喜んでる、良かった、あと何しなきゃいけないんだっけっていう気持ちだったと思います。

──武道館はロックバンドにとっては言うまでもなく象徴的な舞台なわけですけど、グッドモーニングアメリカにとって、武道館という場所はいつ頃からリアルなものとして浮上してきたんですか?

金廣 グッドモーニングアメリカとしてだったら、それこそあれか、みんなでミーティングした時か?

ペギ(Dr・Cho) 結構最初のほうじゃないですか。この4人になって。

渡邊 まだCDも出してない、地元八王子でずっとやってた時に、4人でどうしようかって話し合っていて――。

ペギ でも夢を語ってるレベルですよね、そういう時って。4人でこうなりたい、このバンドやっていこうっていう時には武道館っていう言葉は出てましたね。

渡邊 年表みたいのを書いてたんですよ、向こう5年分くらいの。そのいちばんケツに日本武道館やろうよみたいな。それまでに、Zeppツアー出て、このへんでメジャーデビューして、その前には地元で100人入れて、デモ作って……とかっていうのを話してて。そこにはやっぱ、日本武道館っていうフレーズはありましたね。

ペギ ロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)もありましたよね。

渡邊 あった、あった!

ペギ このへんで出してもらって、みたいな。

渡邊 たぶんそれ、出られてないんだよね(笑)。全然出られてない。

たなしん(B・Cho) でもみんなが思い浮かべるような成功の形っていうイメージだったんだと思います。武道館だったり、バンドでROCK IN JAPANに出るとか、メジャーデビューするっていう。

──でも、そのある種夢物語としての武道館というのが、実際に活動を始めて、CDを出して、メジャーデビューをして、Zeppツアーもやり。いよいよほんとにリアルに手が届くところに来たわけですけれども。そういうリアルな実感として俺たちはやるんだっていう感覚を覚えたのはいつ?

金廣 俺は本音を言うとオリンパスホール(八王子/6月13日に開催した初のホールワンマン「挑戦 㐧六夜」の会場)やってからですね。

──ごく最近じゃん。

金廣 そうですね。ほんとにリアルにイメージできたっていうのはオリンパスホールからです。もちろんやるってことはわかってるし、スケジュール帳にも入ってるけど、ほんとにバンドとしてすごく大事な節目として武道館があるっていうのをちゃんと意識し出したのは、ほんとオリンパスホールを終えてすぐくらいじゃないですか。イメージもできたし。

渡邊 僕は、この写真(武道館前で撮影したアーティスト写真)撮りに行った時かもしれないです。九段下から武道館まで歩く道ってすごいじゃないですか。そのアーティスト、ロックバンドを観るために、あんだけの人がこうやって歩いて、入り口もごった返して。自分たちがやるって決まって、この写真を撮りに行って、メンバー4人でなんもない昼間の九段下を歩いてる時に、あ、ほんとにやるんだって、ちょっと気が引き締まるというか。

──ペギさんは?

ペギ リアルかどうかわかんないんですけど、俺は結構そういうの夢見たりするんですけど。メジャーデビューが決まった時に、もしかしたらそこまで行けるんじゃないかなっていうのは思ったりしてましたし、結構そういうのが近くなったなっていうのはすごい感じました。これはもしや、みたいな。行けんじゃねえのか、みたいな(笑)。頑張れば手が届く範囲、だからそういった意味でちょっとリアルに感じたのは、メジャーデビューあたりかもしれないですね。

たなしん すごく具体的な話ですけど、できるチャンスがあるかもしれないって最初事務所の人に言われて。その時に絶対やりたいって自分のなかで思ったんですよ。たぶん、もっと前だったら、いやいや無理でしょうって思ってたかもしれない。でもそこでパッとやりたいっていう気持ちになれたんですよね。このバンドで今だったらできるチャンスがあるってパッと思えたんで、その瞬間ですかね。

──すごい曖昧な質問ですけども、たなしんさんにとって武道館ってどういう場所だっていうイメージでした?

たなしん 最近は特に、それこそ同じフェスに出てるバンドとかを武道館に観に行って。やっぱりそこを超えるとすごい箔がつく感じがするというか、バンドとして。ほんとにそんくらいのイメージだったんですけどね。自分たちが立つってなると変わってきますよね。

「ROAD TO BUDOKAN」の第一夜、ほんとに苦渋を舐めた場所・八王子でやった意味はすごくあるなって思いました。そこで俺は武道館っていうのを改めてリアルなものとして意識できた(金廣)

──うん。もちろんバンドとしての箔がつくというのはあるんだけれども、やっぱりもっとエモーショナルな物語の装置という気がするんですよね、ロックバンドにとっての武道館って。で、グッドモーニングアメリカが今武道館に向かって描いている物語というのは、その意味ですごく武道館的だという感じがして。

金廣 ほんとに、6月のオリンパスホールからスタートしたのが「ROAD TO BUDOKAN」ですけど、始まりの場所、バンドにとってのいちばん苦渋を味わった八王子という地からスタートして、八王子の盟友であるTOTALFATを呼んで大阪でイベントやって、全国のお世話になったところに、仲いいやつら呼んでツアーに行って。俺らはそういうバンドのやり方をしてきたんだなと思って。だから、今も俺らと同じ歳くらいで、同じくらいのキャリアがあるけどなかなか成功できない、でも俺らと一緒にやってきてたようなバンドにも夢を見せたいし、できるって思わせたいし。そういうことができる立場にいるっていうのがすごいありがたいですね。みんなでつかんだ武道館みたいな気持ちがほんとにあるんですよね。

──4人だけじゃない、チームグドモだけじゃない、いろんな人の夢みたいなのを背負ってるって感覚もあるんですかね。

金廣 そうっすね。どっちにしろ背負うと思うんですけどね。だから成功させて、もっとその先のでっかいところにも行きたいと思うし。そこが最終地点じゃないにせよ、すごく大事なポイントだと思うので、そこに対して全力で今年はやっていきたいなと思ってます。

──八王子のオリンパスホールは僕も拝見したんですけど、まわりに子連れのファミリーとかいっぱいいるわけですよ。すごいおもしろいなと思って、それが。

渡邊 ホールならではというか、家族でも来れますもんね。

──地元八王子だし、同世代で結婚して子どもができてるような人もまわりにいっぱいいるじゃないですか。そういう人たちの夢も背負ってるんだなあっていう。

たなしん だからほんと、「ROAD TO BUDOKAN」の初日のテーマとすごいハマッたんじゃない? それこそイベント名も。

──『挑戦 㐧六夜』。

渡邊 原点回帰っていう意味では、ほんとに。

たなしん そうですね。それを表現できたんじゃないか、しかも八王子で。

金廣 「ROAD TO BUDOKAN」の第一夜、ほんとに苦渋を舐めた場所・八王子でやった意味っていうのはすごくあるなって思いました。そこで俺は武道館っていうのを改めてリアルなものとして意識できたし。

──「苦渋を舐めた」と表現していますけど、八王子時代というのはどういう時期だったと思いますか?

金廣 めちゃめちゃもがいたんじゃないですかね。だから「挑戦」という題名をつけて毎週、連続で自主企画をやったりして。お客さんも普段は2~3人しかいなかったのに、毎週企画して違うバンドの力を借りて、なんとか成功させて……っていうのを五夜もやるっていう。でも、そっから別に何か変わるわけでもないし。やっぱ苦しんでました。自分たちでミーティングして、こうしたらいいんじゃないかっていうのを毎回トライしていくっていうことを続けてたんで。でもそこで「挑戦」や「凌ぎ合う」っていう自主企画をやってたから今があるし、そこでの失敗を含めての今だっていうのをほんとに思いますね。

──今回、八王子のオリンパスホールと武道館も「挑戦」っていう、かつてやっていた企画のタイトルでやるわけじゃないですか。それは苦しみながらもがきながらやっていた、当時の自分たちに対する落とし前みたいなところもあるんですか? 出口を探していた当時から今にたどり着いて、八王子のホールでやる、武道館でやるっていう。

金廣 ああ、そうですね。だから物語としてはすごくよくできていると思います。最初から決まってたような感じですごい美しくすべてが並んでるのが、何かしらに導かれたのかわかんないですけど、なんかきれいだなっていうのは思います。でもそこをもっときれいにするためには、自分たちがもっと努力していかなきゃいけないなって。でもほんと、いろんな人たちがいての今だなあっていうのは思うので。自分への落とし前っていうよりも、それこそ親も含めですけど、親とか仲間とか、いろんな人への恩返し込みで絶対成功させたいなって。

たなしん そっちへの落とし前ですよね。だって当時、「挑戦」5日間やった初日、俺らは(八王子)RIPSだったんですけど、下のMatch VoxではTOTALFATのイベントやってたんですよ。それであいつら上に冷やかしに来てて。向こうはソールドアウトしてるわけですよ。こっちは全然お客さんもいなくて。悔しかったですね。

──なるほど。そういうところからの出発だったんですね。

たなしん そう。その時ベースくん(Shun)とかBuntaに「全然おまえら雰囲気が変わってねえな」とか言われて。俺らはここまで来たぜって。でもだからこそ、自分たちは今日絶対成功させてやるって思ったんですよ。そういうのを思い出して。でもそれも今思えば、頑張ろうぜって意味で発破かけてくれてたんだと思うし。

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