超能力戦士ドリアン、笑いも音楽も超進化した新作、その名も『ハンパねぇ名盤』爆誕!

(“満足バロメーター”は)やっさんらしくない歌詞だけど、こういう気持ちも伝えていくのはいいことなのかなと思います(おーちくん)

――でも、これはギャグではあるけど半分ぐらいは言いたいこともあるって感じですか?

やっさん メッセージ性は隠しつつ入れるというか。僕ら、そんなに風刺したりとかメッセージ性の強い曲は書けないというか――まあ、できるできないとかより、恥ずかしいんですよね。

おーちくん 根が真面目なんで。

やっさん だからそういうのをこっそり入れるというか、ふざけてるふりしてちょろっと言う、みたいな。

――でも、そういう意味では最後の“満足バロメーター”という曲にはその真面目なところがストレートに出ていますよね。

やっさん まあ、一応、前作の“二番煎じって感じ”っていう曲とか、ミニアルバムのなかに1曲くらいそういう真面目な曲も入れようかみたいな気持ちは多少なりともあるんですけど、この歌詞を出した時は「さすがにちょっとハズない?」みたいなのもありましたね。でもそれこそライブをやってて思った感情というか……ライブとかCDにお金を払ってくれることが当たり前じゃない世の中になってきている中で、2800円なり3000円なりっていう、1時間働いたくらいじゃ稼げない金額を出してもらうからには、その金額以上の満足感を返さないと2回目は絶対ないよなっていう。そういう自覚が芽生えてきたんで、それを歌にして残しておきたいなと思って作りました。個人的には、“人見知RIVER”の最後におーちくんが「アーッ!」ってメタル調で叫んだあとにこの曲が始まるっていう、「何やこれ」みたいな(笑)。これ絶対笑ってまうやろっていうポイントのあとに真面目な曲が始まるっていうのが結構エモいなと。

おーちくん エモい?

やっさん かなりエモいやろ、あれは。たぶん“満足バロメーター”入ってきいへんから、一瞬。

――おーちくんとけつぷりくんは、この曲がやっさんから出てきた時にどう感じてました?

けつぷり これ、たぶん僕がいちばん、反対というかちょっとストップをかけたんです。まあ、やっさんが書く歌詞にしてはストレートすぎるし、こういう内容って普通隠す部分というか。お金がどうとかって、心の内に秘めとくところかなっていう考えが僕にはあったんで「1回ちょっと考えへん?」って言ったんですけど、やっさんの気持ちを聞いていくなかで今だからこそ伝えたほうがいいものもあるなと思うようになりました。

おーちくん まあ、ほんまにやっさんらしくない歌詞ではあるけど、こういうストレートな気持ちもお客さんに伝えていくのはいいことなのかなと思いますね。ほんま、わりとありのままの言葉で、もうありのままの――。

やっさん 『アナ雪』状態や(笑)。

おーちくん 『ハンパねぇ名盤』ってタイトルを付けた、勝負のアルバムにしようやって言ってる盤の最後に入れる曲として、いいんじゃないかなと。

クサい言い方かもしれないけど、元気や笑顔を届ける責任とか義務みたいなものをひしひし感じるようになってきてます(けつぷり)

――『ハンパねぇ名盤』っていうタイトルも、なかなか勇気がいるというか、自信がなかったら付けられないですよね。

やっさん 自信を持てるようになったというか、人前に立たせてもらう以上自信なかったら立ったらあかんのちゃうかって思うようになったっていうか。それこそ『ハンパねぇ名盤』っていうタイトルを付ける時にも「ちょっとハードルを上げすぎてへん? いける?」みたいな意見もあったんですけど、でも出す時はそういう気持ちじゃなかったら出したらあかんくない?みたいなのはすごく思うんで。責任感が増してきましたね。中間管理職ぐらいになってきたんちゃうかって。

――それはどこに対する責任ということですか?

やっさん いちばんはやっぱりお金を払ってくれるファンに対してかな。あとはまあ、レーベル主のはいからさんとかにもありますけど(笑)。始めた時は「とにかく売れようぜ」とか「自分たちのために売れてやろうぜ」みたいなのが結構強かったですけど、お客さんの顔が見えるようになってきたら、離したくないなっていう気持ちも強まりました。

――やっぱりツアーもしてお客さんと会えたというのが大きいんですね。

やっさん そうですね。バンド始めた頃は、たとえば「キュウソネコカミの売れてない版」とか「ヤバイTシャツ屋さんの売れてない版」みたいな――なんていうんやろ、そういうバンドが好きで、その手の届きやすい範囲にいるバンドだから応援したろ、みたいな立ち位置やったと思うし、実力的にもそれでしかなかったけど、今、少しずつ僕らのことが好きって言ってもらえるようになってきたので。ひと括りじゃない存在に、このミニアルバムぐらいからなっていけたらいいなって思ってます。

けつぷり 最初はお金のためとか目立ちたいとか、単純な動機でやってたけど、お客さんに支えられているんだっていうのが本当に身にしみて分かったし、逆に最近コロナウイルスでライブができないということになってからは、自分たちのライブがお客さんにとっての支えになってるんやなっていうのも目に見えて分かったし。クサい言い方かもしれないですけど、元気や笑顔を届ける責任とか義務みたいなものをひしひし感じるようになってきてます。

――確かにこういう状況であればあるほど、ドリアンのようなバンドの存在っていうのは大きいと思います。このミニアルバムがそれを証明するきっかけになればいいなと思います。

やっさん 本当に、このミニアルバム以前と以後みたいな言われ方をするようなミニアルバムができたと思うんで。ターニングポイントになってくれたらいいなと思ってます。

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