【インタビュー】あなたは本当のフォーリミを知っているか? 1年8ヶ月ぶりのEP『VIEW』を機に2チーム分解インタビューで解き明かす!!

【インタビュー】あなたは本当のフォーリミを知っているか? 1年8ヶ月ぶりのEP『VIEW』を機に2チーム分解インタビューで解き明かす!!

フォーリミの前作『MOON』から1年8ヶ月ぶりのEP『VIEW』は、新曲×3とB-DASH“KIDS”のカバーの計4曲が10分弱とは思えない濃さで駆け抜ける超快作。アルバム『Harvest』から4年が経過しようとしているが、今、バンドが充実した季節を突っ走っていることがパンパンに詰まった作品になっている。しかし、こんな風に活動できているバンドってフォーリミ以外にいる? そんなフォーリミの不思議に今までになく深く斬り込みたくて企画したのが、このメンバーをふたりずつに分けてのインタビュー。結果から言うと、めちゃくちゃ発見の多い大成功の企画だった。GENとKOUHEIという歪なくらい形が違うふたりが創作の縦軸に、HIROKAZとRYU-TAのバランスを意識しない2つのギターを横軸に、トータルで完璧な今のフォーリミが未完成のまま激走している。バンドで生きる4人のアンサンブルが感じられる、ライブ感いっぱいの2本のインタビューになった。インタビュー=古河晋 撮影=小杉歩

インタビュー#01  GEN + HIROKAZ

──今日は、ちょっと特殊な形で取材するんだけど、今回の『VIEW』というEPを聴いて、改めて04 Limited Sazabysって偉大なバンドだなと。GEN(B・Vo) いやいやいや。──そして異様なバンドだなと。GEN はい(笑)。──今もすごくフレッシュだし、めちゃくちゃ成熟もしてるし、20年近くライブハウスを主軸にやってきてるバンドでもありながら、ちゃんと2026年の音も鳴らしていて。GEN ああ、嬉しいですね。──アルバムも4年ぐらい出してないけど、ちゃんと日々、意味のある活動をして進んでるフォーリミってやっぱりすごいし、変なバンドだと思いました(笑)。GEN ありがとうございます。最高の褒め言葉です。──ちなみにGENちゃんとHIROKAZの関係性ってバンドの中でどういうものなんですか?GEN 言ったらこのバンドの首謀者でもあるかもしれないですね。もともとHIROKAZが誘ってきて、僕が入ってっていうとこから──その時は、このバンド名にはなってなかったですけど。──首謀者の自覚はある?HIROKAZ(G) 自覚はないです(笑)。そん時はただバンドをやりたかっただけなんで。金沢から名古屋に来て楽しいことをやりたいなっていうのでバンドに誘ったっていう感じではあるんで。──HIROKAZは、こういう『VIEW』のような作品を作れている今のフォーリミをどう見てるんですか?HIROKAZ うちらは、よくも悪くもあんまり曲をポンポン出さないっていうのがあったりするけど、これぐらい時間を空けながらだと、新鮮な気持ちで、変わらない姿勢で曲作りをやれるのかなとは思いますね。GEN まあ、時代の空気を読む必要がなくなったというか、そこに呼吸を合わせる必要がなくなったんだと思います。僕たちっていうこの黄金比、僕たちでしか成し得ないバランス感みたいなのを見つけたって感じてるんだと思いますね。──そのフォーリミの黄金比って経験値から得たものだけではなくて、もともとすごくよくできたバンドだという部分がある気がする。GEN まあできることをずっとやってる感じです。こうやって今の若いバンド、ミセス(Mrs. GREEN APPLE)とかもそうだし、ChevonでもCLAN QUEENでもそうですけど、みんなめっちゃ上手いじゃないですか。あんなことをやろうとしてもやっぱ僕らできないし。僕らはできるところを僕ららしくやっていくのが正解だなって気はしてますね。──フォーリミって、それと同じようなことを上の世代から思われてるバンドだとも思うんですけどね。今回はB-DASHをカバーしてるけど、ジュディマリの“mottö”とかアジカンの“未来の破片”のカバーとか聴くと原曲のほうが全然青臭くて。フォーリミのカバーには、今の時代なりの洗練も感じる。GEN 今回のB-DASHは、ちょっと身内をくすぐりにいってるとこもあると思いますね。キッズたちは知らないと思うんで、ジュディマリもB-DASHも。ジュディマリも解散してるし、B-DASHもGONGONが亡くなってるから。失われたものを語り継ぐのも僕らの役目かなって思ってるとこもあります。でも別に僕らが持ってるこの引き出しをみんなに開けてほしいとかではないんです。だから冒頭で、古河さんにフレッシュさもありつつ、成熟してる感じもあると言っていただいて。まさにそうしようとしてたなって思うところがあったので、そう捉えられてすごい嬉しかったです。僕らって、ちょうどはざま感があって。インターネットが出る前から、それが進化して、AIとかになっていく変化も全部見てたし。昭和の頑固親父のノリもわかるけど、今の若い子の身軽さもリスペクトできる。そこのちょうど間のバランス感みたいなのがある。ゆとりでもあるけど。途中から土曜日休みになったしみたいな(笑)。老害にもなりたくないし。若い子の感覚も面白がりたいけど負けたくない。今回この4曲ができて、最近の若手のパンク系の流れで聴いてみたりしても「ああ、大丈夫勝ってる勝ってる」と思って(笑)。過去の栄光じゃなくて、ちゃんと新譜で「あ、全然いいね」みたいな感じに思えました。
【インタビュー】あなたは本当のフォーリミを知っているか? 1年8ヶ月ぶりのEP『VIEW』を機に2チーム分解インタビューで解き明かす!!

なんか最近は全部、愛だなって。ぶつかりおじさんですら僕は愛せますから。(GEN)

──B-DASH的な自由自在なフロウって、今回のEPに際立った形で入ってますよね。GEN はい。意識しました。B-DASHの曲を適当アドリブめちゃくちゃ語じゃない曲にしたという。その要素をちょっと自分の曲に入れようかなと。──“Over”と“ROUTE”っていう今のフォーリミの最上級のメロディとアンサンブルの曲に、このフロウと響き重視の歌詞を乗っけたのがすごい成功してるし、新しい。GEN 昔の、何かに追われてた時って、まだ届いてない人に届けるために、ちゃんとメッセージを伝えなきゃとか、メジャーになったからもっとわかりやすくしたほうがいいかなとか、絶対正しくなきゃいけない、いいことを言わなきゃいけないみたいなところがあったけど、その感覚を全部解き放った状態で書けたのはよかったと思います。──《タリラリラ》って追われてる状態の時は出てこないもんね。GEN そうですね(笑)。できるだけ、みんなに勝手に解釈してもらいたいっていうのがあって。明確に歌ってるテーマだったりメッセージが先にあると、その解釈の余白が少なくなっちゃうんで。聴く年齢によって変わったりとか、季節によって変わったりとか、その人の暮らしの中でちょっと足りない部分を補完してもらって完成させるのがいちばんいいかなって。最近、本を読んでてもいろんなものに触れてても、最近のショート動画とかもそうだけど、隙間がなくて情報が多いんで。もっと余白を生んで、それをみんなでちょっとこう想像して、完成っていうものにしたいなって思ってました。最近それはすごい考えますね。昔の古いゲームとかもやり直したんですけど。画質とか今の感覚だとめちゃくちゃ悪いわけですよ。でも当時の僕にはめちゃくちゃリアルに見えてたんですよ。それってたぶん自分の中で補ってたわけじゃないですか。その能力が最近減ってるんじゃないかみたいな。時代とかテクノロジーに抵抗ってほどじゃないですけど。なんか自分の好きな作品とかってそうだなって思ったんで。

──確かにドーパミンをドバドバ出させる仕掛けをあえては作らないけどキャッチーになってるのが“Over”な気がする。それを決して押しつけがましくやらないのが今のフォーリミのスタンスなんだね。そして1曲目の“Sailin'”、めちゃめちゃいいよ。《love 日に日に増してんだ》っていうフレーズも、逆にこの年じゃないと言えないよね。GEN そうですね。やっぱこの年になって、なんか全部愛だなあって最近いつも思うんです。自分の幸福度としても、なんなら人の価値としても、お金とかより、どれだけ愛に気づけるかとか感じられるかにフォーカスしてるので。最近の僕は、あれもLOVE、これもLOVEだなって思いながら暮らしてます。全部LOVEだと思うと怒りで返す必要もなくなりますし。ぶつかりおじさんですら僕は愛せますから。──ははは。GEN (笑)。見下すこともなく、怒ることもなく。一瞬キレそうになりましたけど(笑)。昔の俺だったら怒ってると思います。HIROKAZ 遅刻はLOVEにはならないけどね。GEN あれもLOVEだよ。LOVEすぎて今日、遅刻した(笑)。
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