なお、ロビーには、毎週金曜に首相官邸前で続いているデモへの参加や、川内原発再稼働反対を呼びかけるブースも設けられている。
と書きました。これ、「首都圏反原発連合」のブースのことなのですが(詳しくはこちら http://nomorefuckinnukes-store.jp/)、この書き方だとほかにブースが出ていないように見えることに気づきました。ロビーには、「311 東日本大震災 市民のつどい Peace On Earth」(http://peaceonearth.jp/)のブースと、「NO NUKES」と同じく脱原発がテーマのフェス「NO MORE FUCKIN' NUKES」(http://nomorefuckinnukes-store.jp/)のブースも設けられています。
01.新世紀のラブソング
02.AとZ
03.N2
04.迷子犬と雨のビート
05.1980
06.N.G.S
07.スタンダード
08.踵で愛を打ち鳴らせ
09.マーチングバンド
10.君という花
11.今を生きて
1曲目から、イベントというより完全にワンマンのそれ、というくらい、オーディエンスの熱は高い(って書いて気づいたけど、実際「2部構成のワンマン」なんだった)。バンドもフロアもそのままの勢いで、“AとZ”、そして“N2”をプレイし終えると、1回目のMC。
「今日はNO NUKES 2014、お越しいただきましてありがとうございます。緊張しないで、こわばらないで。楽しくやればいいんだよ。こういうふうにいろんなテーマで集まったりすることを、もっとポップにやればいいんだよ。だからヘンに固まったりしないで、最後までゆっくり楽しんで帰ってください」と、ゴッチ。バグパイプのようなギターとキーボードの響きにイントロからハンドクラップが巻き起こった“迷子犬と雨のビート”、インストかと思うほど長いイントロを経てゴッチが歌い出した“1980”(このまま歌なしのインスト・バージョンだったとしてもありだな、と思うほどのテンションでした、演奏)、オリエンタルな匂いのギター・リフが印象的な“N.G.S”をプレイしたあと、2回目のMC。昨日難波にメールをもらった報告をし(退院されたそうです)、「今日は取材でおもしろいおじさんに会って来たよ。奥多摩の森をどうにかしようと思って、会社を立ち上げてやってる人で。東京の面積の3分の1って森なんだって。その森から木を切り出してさ、MADE IN TOKYOって発信したらかっこいいんじゃないの?」という話をしたあたりで、「長く話していい? いいよね、今日長くやるから」という言葉をはさんで続けるが、次第に自分でもどうかと思い始めたらしく(「上の世代がつっかえてる会社に入れなくて苦労するよりも、自分たちで仕事を作っていくことを始めればいいんじゃないか」という、とてもいい話だったのだが)、「最近さだまさしさんみたいにしゃべっちゃうんだよね。それをみんながツイッターに書くと、さだまさしさんのファンから『さだまさしさんのMCはめちゃくちゃおもしろいんだから、おまえごときと一緒にするな』って言われるかもしれない」と自嘲。ただしそのあと、「OK、いいよ、変な奴でもかまわない。“スタンダード”」と次の曲を紹介して演奏になだれこんだあたり、「うまい!」と言いたくなりました。
休憩時間にステージ後方のスクリーンに、2年前に公開された、福島県双葉町の住民たちを追うドキュメンタリー映画『フタバから遠く離れて』の、第二部のトレーラー映像が流れる。テーマ音楽を手がけたのは坂本龍一。11月15日からポレポレ東中野などで公開になるそうです。詳しくはこちらを。http://nuclearnation.jp/jp/part2/
そして、二部の始まりもSEなし。BGMでかかっていたプライマル・スクリームの“アクセラレーター”がフッと消えて、4人が出てきて(ちゃんと衣装を着替えている)、キヨシがドラムを叩き始めた瞬間、「あの曲だ!」とフロアが沸く。“サイレン”だ。続いて“センスレス”、“Re:Re:”と、アッパーな流れでライヴはスタートした。
01.サイレン
02.センスレス
03.Re:Re:
04.暗号のワルツ
05.フラッシュバック
06.未来の破片
07.No.9
08.ローリングストーン
09.リライト
10.ソラニン
11.ワールド ワールド ワールド
12.新しい世界
(encore)
13.転がる岩、君に朝が降る
そして“ローリングストーン”“リライト”“ソラニン”と、みんながもっとも聴きたい曲をもっとも聴きたいテンションで叩きつけ、「今日はありがとう、集まってくれてありがとう。またどっかで会いましょう。ASIAN KUNG-FU GENERATIONでした」という言葉のあと、“新しい世界”で本編をしめくくった。
「楽しいことやりたいね。楽しみながらよくしていきたいよね」という言葉に続いてプレイされたのは、2008年にリリースされた“転がる岩、君に朝が降る”だった。未来を予見するような内容の曲ではない。ただその時の自分の状態を綴った歌だ。しかし、この時、後藤正文がなぜこんな曲を書いたのかが今になるとわかる、と聴いていて思った。で、きっと本人もそうなのではないか、「俺がこの時感じていたのはこういうことだったのか」と気づいたりしたんじゃないか、とも思った。それくらい、今のASIAN KUNG-FU GENERATIONが、今この場でこの瞬間に歌うべき曲としてずっぱまりで、堂々と響いていた。
ステージを下りる時、ゴッチは再び「NO NUKES KEEP ZERO」タオルを掲げた。(兵庫慎司)