Prague vs QUATTRO @ 渋谷BOXX

Prague vs QUATTRO @ 渋谷BOXX - QUATTROQUATTRO
Prague vs QUATTRO @ 渋谷BOXX - QUATTROQUATTRO
Prague vs QUATTRO @ 渋谷BOXX - PraguePrague
Prague vs QUATTRO @ 渋谷BOXX - PraguePrague
毎月ゲストバンドを招いて対バン形式で行われる、Prague主催のライブイベント“Prague monthly sessions 「Fire Fire Fire」”。2度目となる今月のゲストは、真夏の太陽を閉じ込めたかのような明るくパワフルなロックを奏でる5ピース・QUATTRO。内に秘めた衝動を蒼く鋭いギターロックに焼きつけるPragueとは対照的な音楽性を持つバンドだけに、どんな異種格闘技戦が見られるのか、開演前から期待が膨らむ。

そして定刻より10分ほど遅れてQUATTROが登場。いきなりキラー・チューン“Magic J”でフロアを大きく揺らしたかと思えば、これまた痛快なナンバー“Fools”でフロアを未曾有のダンス空間に変えていく。トリプル・ギターと重低音ビートが生み出すグルーヴは、とにかく圧巻満点。カラッとした空気をまといながらも、腰にまとわりつくような粘っこさも備えていて、訪れた観客を一人残らず踊らせてしまうほど力強い。
さらに、メンバー5人が輪になり笑顔でイントロを紡いだ新曲では、トロピカルなギターソロとコーラスが、陽気でポジティブなムードをこれでもかと加速させていった。

続いてMCコーナー。「雄一くんです」という岩本(Vo/G)の紹介に続いて、「出戻りました、すみません」と挨拶したのは、なんと旧メンバーの潮田雄一(G)。実は、8月13日に中島慶三(B)と佐藤真彦(G/Hammond)の脱退を発表したばかりのQUATTRO、その佐藤の穴を埋めるためにバンドに戻ってきたのは、バンド結成時のオリジナルメンバーである潮田であるというのだ。一時的なサポートとして戻ってきたのか、それとも正式メンバーとしての再加入なのか、そのへんに関しては説明がなかったのでわからないが、笑いの絶えないトークや観客とのフレンドリーな掛け合いが、いつも通りに展開されていく。
今後も体制が固まるまで、しばらくは不安定な状況が続きかねない彼らだが、そんなネガティブな空気を微塵も感じさせない大らかな空気感が、何とも嬉しく、頼もしく思えた瞬間だった。

さらに後半。“Time Time Time”“Differences”とリラクシンなナンバーでクールダウンした後は、“Question #7”で再び爆発! 潮田が奏でるバンジョーの音色でアメリカの荒野を見せたかと思えば、疾走感あふれる“Joy of a Toy”“Stone”をがむしゃらに叩きつけていく。そしてラストを華々しく飾ったのは、“HEY”!! タンバリンを手にステージを動き回る岩本、フォークもブルースもガレージロックも呑み込んだぶっといグルーヴ、そして拳を高らかに突き上げる観客が一体となって、熱狂に包まれたパーティーは大団円を迎えた。

続いて、ホストのPragueが荘厳なクラシックのSEに乗って登場。“Greedy Rhythm”、“Light Infection”と、7月14日にリリースされた1stアルバム『Perspective』でもオープニングを飾る疾走感たっぷりの2曲を続けざまに叩きつけていく。見た目は線が細く頼りない印象を持った彼らだが、放たれるサウンドは、驚くほど骨太。サビに向かって一気にスパークしていく緻密なバンドアンサンブルには、威風堂々とした貫禄すら感じられる。
その一方で、「こんにちは、Pragueです」という朴訥としたMCには観客から「がんばれー!」という声援が飛ぶほど。このギャップが何とも微笑ましく、リミッターを外さんばかりにアグレッシブなロックを生み出す彼らのエネルギーが、一体どこに宿っているのかと末恐ろしさすら感じてしまう。

さらに彼らのもうひとつの魅力である、静謐でディープな世界をしっとりと描き出したのが、 “Roam”“Negai”“夜半に問う今”が披露された中盤のセクション。タイトなビートが刻まれる中、鈴木(G/Vo)の伸びやかな歌声と美しいアルペジオ・ギターが、フロアをゆっくりと酔わせていく。とは言え、奏でられるサウンドスケープは、決して平坦なものではない。癖になるフレーズや複雑なリズム、ハッとさせられるようなコードが随所に盛り込まれており、一瞬たりとも聴き逃すことができないほどの緊張感を湛えていた。

「Pragueのサウンドは素晴らしいリズム隊があればこそですが、そんなリズム隊の魅力が全開の曲です」といった内容の鈴木の言葉に続いてプレイされたのは、ドラムとベースの重厚感ある掛け合いがイントロから炸裂する“バタフライ”。観客からハンドクラップが沸き起こる中、音階を自由に行き来する鈴木の歌声や、ドラム→ベース→ギターとバトンを繋いだソロリレーが伸びやかな羽を広げていく。しかし、“影踏み”の切っ先鋭いギターリフが青白い閃光を放って突き進むと、フロアは再び光と影が交錯するハイブリッドな世界へ。そのまま、一触即発のプレイが炸裂する“Distort”“遮光”を連続投下し、嵐のようなクライマックスを迎えた。

アンコールでは、「最近ハマってるものは?」と執拗に投げかける伊藤(Dr)に対して金野(B)が困り果てるという、若干グダグダな(でもすごく微笑ましい)MCに続いて、彼らの原点ともいえるデビュー曲“Slow Down”を披露。どこに行き着くのか分からない彼らのダイナミックなサウンドスケープの面白味を存分にアピールして、ステージを去った。

ブルース、ガレージロック、カントリーミュージックなど様々なエッセンスを取り入れながら自由奔放なマインドでポップミュージックの可能性を模索するQUATTROと、心の内を抉り出すようなストイックなギターロックを追い求めるPrague。それぞれアプローチは違えど、己の信じるロックンロールを無骨なまでにひたむきに叩きつける両者の姿に、これからさらに進化するであろうバンドの未来を期待せずにはいられない一夜だった。
“Fire Fiere Fire”企画としては最終回となる、来月のHaKUとの対バンも楽しみ。(齋藤美穂)


QUATTRO
1. Magic J
2. Fools
3. 新曲
4. Time Time Time
5. Differences
6. Question #7
7. Joy of a Toy
8. Stone
9. HEY

Prague
1. Greedy Rhythm
2. Light Infection
3. Stance
4. Roam
5. Negai
6. 夜半に問う今
7. バタフライ
8. 影踏み
9. Distort
10. 遮光

アンコール
11. Slow Down
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする