The Voice Of Rainbow @ 渋谷C.C.レモンホール

レインボーの歴代ボーカリストたちが同じステージに立って、レインボーの曲などを次々と歌う、というスペシャル・ライブ。といっても、初代=ロニー・ジェイムズ・ディオは今年5月に亡くなってしまったので除くが、2代目:グラハム・ボネット、3代目:ジョー・リン・ターナー、そして再結成ディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアが1994年に復活させ、1997年まで活動した時期のレインボーのボーカル=4代目:ドゥギー・ホワイト、の3人が歌うわけです。大阪、名古屋と回ってきて、本日東京が最終日。先攻は、ジョー・リン・ターナーとドゥギー・ホワイト。最初と最後の4曲ずつがジョー、途中でドゥギーが出てきて4曲歌う、という構成でした。バンド・メンバーは日本勢。以前からジョーと交流のあるギタリスト、梶山章(元プレシャス)を中心にしたバンドで、キーボードは元ジェラルド→元アースシェイカーの永川俊郎でした。
ああ。今「プレシャス」って書いて、いろいろ思い出した。とても書きたいことがある。でも書くと、このライブレポの趣旨から脱線するし、そして確実に長くなる。どうしよう。端的に、事実関係だけ書いておきます。
奥田民生は、ギタリストとして、プレシャスのボーカルの後ろで、弾いたことがある。
これだけにしときます。あとでブログにでも書こうかな。で、セットリストは、こうでした。最初はジョー・リン・ターナーがオン・ステージ。
1.Intro~SPOTLIGHT KID
2.I SURRENDER
3.DRINKING WITH THE DEVIL
4.STREET OF DREAMSで、ここからドゥギー・ホワイト。
5.Black Masquerade
6.Ariel
7.Hall of the Mountain King
8.Temple of the Kingここでまたジョー・リン・ターナーにスイッチして、
9.STARGAZER
10.CAN’T LET YOU GO
11.CAN’T HAPPEN HERE
12.DEATH ALLEY DRIVERで、本編終了。続いてアンコールで、ふたりで一緒に、
13. POWERで、おしまい、でした。
どうでしょう。もう大変でしょう、特に、1,2,3,4,10,12あたりは。
上下黒で固めたジョー・リン・ターナー、曲によっては上の方のキーがきついところもなくはなかったが(“I SURRENDER”のサビのケツとか)、全体的には、予想以上によいコンディションを保っていた。あと、楽しそうだし、やる気に満ちているのもうれしい。
で。すみません、途中からハードロック/メタルから離れてしまった「転びメタル」である私は、再結成後のレインボーの活動をまったくフォローしておらず、ゆえに、ドゥギー・ホワイトには思い入れがないので、感情移入できません……ってなるかと思ったら、実はこの3人のうち、最も声がよく出ていたのは、彼でした。ゆえに、がっちり楽しめました。あと、8曲目と9曲目! 前者は1stアルバム、後者は2ndアルバムの曲です。つまり、ロニー・ジェイムズ・ディオ時代の曲です。ファンサービスかな、それとも亡くなったディオへのリスペクトかな、その両方かな、とか思ったけど、考えたら現役当時だって、あとから入ったボーカルが、前のボーカルの頃の曲をライブで歌う、ということは普通にあっただろうから、そんなにおかしなことではなかったのだな、と思います。なんせ、得した気分でした。
なお、8曲目を歌う前のMCで、ドゥギー・ホワイト、ロニージェイムズ・ディオへの追悼の意を表していました。で、転換休憩をはさんで、次は「ALCATRAZZ featuring GRAHAM BONNET」。そう、グラハム・ボネットが、レインボー脱退後、ソロと、マイケル・シェンカー・グループへの参加を経て、作った自身のバンドです。初代ギタリストはイングヴェイ・マルムスティーンであり、2代目はスティーヴ・ヴァイであった、つまりこの2人を輩出した、という意味で、のちのメタル・シーンに多大な貢献をしたバンドといえます。単に「逃げられた」という言い方もできるかもしれませんが。
セットリストはこんな感じでした。1.Assault Attack
2.Too Young.To Die,Too Drunk,To Live
3.Since You’ve Been Gone
4.God Blessed Video
5.Love’s No Friend
6.Kree Nakoorie-Hiroshima Mon Amor
7.Will You Be Home Tonight
8.Sky Fire
9.Suffer Me
10.ギターソロ
11.Bad Girl
12.Jet To Jet(途中でドラムソロ)
13.Lost In Hollywoodというわけで、中心はアルカトラスの曲。ただし、1曲目は、マイケル・シェンカー・グループ参加時代の曲で始める、という意表のつき方でした。
レインボーの曲は、3と11と13くらいかな。もっとやればいいのに。と思ったが、考えたら、ジョー・リン・ターナーはレインボーで3枚のオリジナル・アルバムに参加しているのに対し、グラハム・ボネットは『ダウン・トゥ・アース』1枚だけなので、しょうがないのだった。
なお、12曲目はアルカトラスの1stアルバムから。このギター・ソロが、「ライトハンドじゃないのにライトハンドよりも速い! すごい!」と、イングヴェイの名が世に知れわたることになったきっかけだった、と記憶しています、私。
現ギタリストのハウイー・サイモン、そのイングヴェイのソロを完璧にコピーしていました。偉い。あと、ドラマー、ジェフ・ボウダーズが、とてもいいプレイヤーだった。音もタメもパワフルさも申し分なし。そして。御歳62歳のグラハム・ボネット、もう元気元気。黒シャツに黒パンツ、当時から「メタル界では異質中の異質」だったあの金髪リーゼント&サングラス姿で、もう歌う歌う。動く動く、ひざまずいたり、寝転がったり、サングラスはずしたり、上半身裸になったり、またシャツを着たりしながら、がんがんハイトーンを響かせてくれました。
そしてアンコールは、ボーカリスト3人が総登場。まず、14.All Night Longをやったんだけど、やる前にグラハム・ボネットが間違えて、その次の曲名、
15.Long Live RockN Rollをコールしてしまい、ジョー&ドゥギーが「おいおい!」「ちょっとちょっと!」とつっこむ、というハプニングあり。
ただ、なんせこの2曲(グラハムのレインボー在籍時のアルバム『ダウン・トゥ・アース』の1曲目と、ロニー・ジェイムズ・ディオ時代の代表曲)なもんだから、もう客席、アガるアガる。もちろん、私も、それはもう、アガりました。イントロで「ひゃあ!」って声が出ました。どっちも中学高校の頃、コピーした曲なので。
待てよ。今日のこのライブのうち、何曲コピーしたっけ、俺。数えてみた。全部で6曲だった。意外と少ないな。そうか、“Kill The King”とか、今日はやってないもんな。あと、そういえば昔、Hi-STANDARDが“Since You’ve Been Gone”をカヴァーした時、「ああ、さすが同世代、横山健」とか思ってうれしかったよなあ。これ、そもそもレインボーのオリジナルじゃなくてカヴァーなんだけど、我々の中ではもう完全にレインボーの曲だもんな。と、どんどんムダな思考をつっ走らせつつ一緒に歌っていたら、アンコール、終わっちゃいました。最後、ジョー・リン・ターナーの呼びかけで、ステージの上も下も一体となって「Dio! Dio!」とコールしてシメ。というのも、アツくてよかった。それから、開演前や転換中、ディオの曲がかかっていたのも、同じく、アツくてよかったです。
なお、ディオとは、ロニー・ジェイムズ・ディオが、レインボー脱退後に、ブラック・サバスを経て結成したバンドです。ギターは、のちにホワイトスネイクがアメリカで大ブレイクした時期のメンバーとなったヴィヴィアン・キャンベル、ドラムはカーマイン・アピスの弟でサバスで活動を共にしたヴィニー・アピス、ベースはレインボー時代に活動を共にしたジミー・ベイン、というメンバーでした。以上、すみません、ただ書きたくて書きました。
というわけで。なにそれ。レインボーレインボーって、肝心のリッチー・ブラックモア、いないんじゃん。ミックとキース抜きのメンバーがストーンズの曲をやるツアーを回るようなもんじゃん。というか、こんなの、日本でしか通用しないでしょ。だいたい、ジョーとドゥギーのバック・バンド、現地調達のセッション・バンドっていう時点で、どうなのよ。要は、「今でも日本でだけは集金できる」人たちによる、まさに「日本でだけの集金ツアー」じゃん。というような批判は、すべて正しいと思う。正しいと思うが、胸を張って「はい、そうですが、それが何か?」と、答えます、私。観たい人がいて、やりたい人がいて、実現して、どっちも幸せ。それの何が悪い。というか、悪いと言われても、気にならないです。だって、楽しかったんだから。
心底、そういうライブでした。入れてくださってありがとうございました、ザック・コーポレーションさん。(兵庫慎司)
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