eastern youth今年で結成20周年を迎えた、日本が誇るエモーショナル・ハードコアの巨星:eastern youth。アニバーサリー・イヤーにあわせて2枚のベスト盤(『1996-2001』、『2001-2006』)とコンピレーション・アルバム『極東最前線2』を同時リリースし、9月24日からは「極東最前線/巡業〜スットコドッコイ20年〜」ツアーを敢行。その11本目にしてファイナルとなるワンマン公演が渋谷AXにて行われた。オフィシャルHPで「ツアー最終日の東京・渋谷AX公演は、一球目からトバしまくりで完投勝利するであろうことをここに宣言するものであります」と意気込みを綴っていたが、まさしくその言葉通り、1曲目「夜明けの歌」から熱量マックスでトバしまくり、ダブル・アンコールの「DON QUIJOTE」まで持ちうる全てを鳴らし切った集大成と呼ぶにふさわしい完投勝利ライブだった。
歴代の作品からまんべんなくセレクトされたセット・リストには、イントロが鳴らされる度に「オ――ォ!!!」という大歓声が沸き起こり、たびたび「20周年おめでとう!」という祝辞が飛び交い、フロアのそこここでひたすらにコブシを突き上げ、今にも泣き出さんばかりの勢いで自己陶酔的に熱唱しているお客さん、多数。そう、AXはさながら「大eastern youth祝賀祭 〜あのみすぼらしくも愛すべき俺達の青春の日々を巡って〜」ってな感じの様相だったのだけれど(勝手にタイトルつけちゃいましたが)、そんな一種お祭り的な雰囲気にあっても3人の演奏は一時もブレることなく、重戦車のようなヘヴィネスと野鳥の俊敏さでもってオーディエンスを丸ごとクライマックスへと引っ張り上げていった。真っ赤なライト浴びて鬼気迫る熱演を披露した中盤の「踵鳴る」は鳥肌もんだったし、終盤の「荒野に針路を取れ」、「夏の日の午後」に至っては全能感みたいなものがイースタンに宿っていて、AXは誰ひとりとして疎外者のいない、夢のように連帯的な空間となっていた。決して大袈裟な話じゃなくて、本当に。
そして、やはり吉野のMCは格別だ。「成功が何なのか、失敗が何なのかなんて未だにわからないけど、陽がびゃ〜っと昇るのを見ると、行かざるをえないんだ」、「どっかに辿り着くつもり一歩を踏み出したわけじゃねえんだ。ただ、そうしなきゃいられなかった――学校とか、お仕着せみたいに変な黒い服着せられてさ。それで我慢できなくてイチ抜けだ。正直ここまでどうやって来たのかよく覚えていねえ。はっきりわかってるのは、針路はいつだって荒野に向いてるってことだ」。時に「荻窪のSEIYUで服を買うようになってさ」なんて庶民的すぎる話で爆笑をとりつつ、心にダイレクトに響いてくる生きた言葉がいくつも届けられた。終盤、「本当にありがとうございました。フツーのおじさんだけれど、こうやって多くの人と関わることができて、すごいラッキーで幸せに思います」と20年の感慨を述べると、場内に割れんばかりの拍手が沸き起こった。吉野のギター・アンプの上に、バラの花が一輪。記念的ライブとは言え特別な演出と言えばただそれだけ。しかし、その飾らなさが実にイースタンらしくもあった。20年、決して平坦ならざる道を歩んできた男たちの、何にも屈しない生き様を刻んだ入魂のライブ――心底シビれました!(奥村明裕)
1.夜明けの歌
2.沸点36℃
3.世界は割れ響く耳鳴りのようだ
4.泥濘に住む男
5.雨曝しなら濡れるがいいさ
6.野良犬、走る
7.秋風と野郎達
8.街はふるさと
9.踵鳴る
10.矯正視力〇・六
11.東京
12.荒野に針路を取れ
13.夏の日の午後
14.素晴らしい世界
アンコール
15.裸足で行かざるをえない
アンコール2
16.DON QUIJOTE