フィル・コリンズ、「アラモの戦い」ゆかりの収蔵品をすべて寄付することを発表


19世紀におこったアメリカのテキサス地方のメキシコからの独立戦争で、特に1836年のアラモの戦いについて熱狂的なファンとして知られているフィル・コリンズは、自身が収集した200点もの遺品などをアラモの史跡に寄付すると明らかにしている。

アラモの戦いについてフィルは世界でも最大の個人コレクターとして知られているが、今回現地の史跡で行った記者会見で「これまで音楽で稼いできたお金を全部これに注ぎこんできた」と言ってのけたとAP通信が伝えている。

「人によってはお金をフェラーリとかに使ったりするよね。または不動産とかだと思うんだけど。それでぼくは、昔の鉄片とか紙切れに使ってきたんだよ。全部自宅にあるんだ。スイスの自宅の地下室にね。毎日眺めたりするんだけど、ぼくのほかには誰も喜びもしないんでね」

フィルのコレクションには、アラモの戦いで命を落とし、アメリカ人の間では英雄的な存在として人気の高いデイヴィー・クロケットのものだったというライフルや革製の火薬入れ、あるいは死の前にメキシコ軍の将兵に譲ったという牛の角の火薬入れなどが含まれているという。しかし、フィルの最もお気に入りの品は、メキシコ軍の前線をかいくぐって援軍の要請のために馬を駆った、ジョン・スミスの鞍の領収書だという。アラモへの自身の思いの丈をフィルは次のように語っている。

「ぼくはこの地に5歳の頃から恋をしているんだ」とフィルは語り、テキサスの義勇軍200名がメキシコ軍1500名によって制圧されたこの戦いをディズニーのテレビ・シリーズで知ったという。

「自分のおもちゃの兵隊を持って庭で遊んだのはいつもこのテーマでのことだったんだ」

なお、今回寄付を決めた収蔵物に関しては発送代もすべてフィルが負担するといい、展示は10月から可能になり、フィルの収蔵物のための展示館も新たに建設される予定になっているという。今後も収集は続けていくとフィルは明らかにしていて、「なんであれ、自宅でじっくり一月向き合った後はこっちに送りつけることにするよ」と語っている。