【コラム】いよいよ開催!BRAHMAN20周年の祝祭「尽未来祭」に込められた衝動と祈りとは

【コラム】いよいよ開催!BRAHMAN20周年の祝祭「尽未来祭」に込められた衝動と祈りとは

いよいよ開演の瞬間を待つばかりとなった、BRAHMAN主催による幕張メッセ2DAYSの巨大イベント「BRAHMAN 20th Anniversary 『尽未来際〜尽未来祭〜』」。Hi-STANDARDを筆頭に、'00年前後のパンクの熱い季節を闘い抜いた盟友が多く集結した1日目。エレファントカシマシ/the HIATUS/10-FEET/MAN WITH A MISSIONなど、ロックシーンの粋を凝縮したような2日目――という両日のラインナップは、BRAHMANというバンドが体現してきたロックの真摯さと熾烈さをこの上なくリアルに象徴するものだ。

自らをも焼き尽くすような衝動の炎を、鋭利で刹那的なハードコアパンクとして撃ち放ち、AIR JAMの狂騒感とありったけの熱量でせめぎ合い響き合っていた初期のBRAHMANのスリリングな佇まいから、《恨み抱くな/挫折責めるな/過去を問うな/その手離すな/拒絶 証明 共有 永遠/堂々》(“其限〜sorekiri〜”)と切実に歌い上げる結成20年の「今」の姿をイメージし得た人は決して多くないはずだ。長い年月の中で、その衝動の切っ先を己へと向けながら、その表現の強度と哲学を研ぎ澄ませてきたTOSHI-LOWは、震災以降の終わりなきカオスも葛藤も含め、人間の業のすべてを真っ向から受け止めて、未来永劫まで続く祈りへと昇華するかの如き境地へとBRAHMANの音楽を到達させるに至った。この「尽未来祭」というロックの祝祭はまさに、そんなBRAHMANの20年間の足跡に対する、ロック界を代表する猛者たちからのリスペクトに他ならない。

TOSHI-LOWの歌とKOHKI/MAKOTO/RONZIが2015年という時代に響かせるサウンドはそのまま、バンドという形態が/ロックという表現がどこまで限界を超えられるか?という渾身のトライアルであると同時に、危うく儚い人間という存在が、個と個の絆によってどこまで揺るぎない剛性を発揮できるか?という命題に立ち向かう修験者の叫びそのものだ。「尽未来際~開闢~」「尽未来際~畏友~」と続いてきた20周年アニヴァーサリーライヴの集大成となる「尽未来際〜尽未来祭〜」。ロックの歴史と未来を揺るぎない魂の軸で貫くような、壮絶な宴になることは間違いない。(高橋智樹)
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