「今日は、俺のすべてぶつけていいんだよなあーっ!?」UVERworld、TAKUYA∞生誕祭ライヴをレポート!

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現在、全国ツアー「UVERworld “15&10”Anniversary Tour」を敢行中のUVERworld。2015年12月21日、TAKUYA∞の誕生日を祝して行われた「TAKUYA∞生誕祭」ライヴとなった横浜アリーナ公演が行われた。RO69では、この模様をロングレポートにてお届けする。

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結成15周年&メジャーデビュー10周年を迎えたこの2015年、夏からほぼ間断なく続いてきた2本のライヴツアーも、いよいよ佳境を迎えている。大晦日に福岡でファイナルを迎える予定の「UVERworld “15&10”Anniversary Tour」は残すところ4公演というところだが、今回の12月21日の横浜アリーナ公演は「TAKUYA∞生誕祭」。ツアー中、9月25日福岡公演で誠果(Sax・Manipulator)の、また11月5日に沖縄公演で真太郎(Dr)の生誕祭が行われており、今回はTAKUYA∞(Vo・Programming)のバースデーライヴというわけだ。

いつものように真太郎の暴れ太鼓が鳴り響く中、ステージに飛び込んで大ジャンプ一発を決めるTAKUYA∞。「今日は、俺のすべてぶつけていいんだよなあーっ!?」と声を上げ、いきなり最高潮のレーザー演出にまみれた“ナノ・セカンド”でステージは幕を開ける。そして新旧のダンサブルなナンバーを畳み掛けるのだが、現代的なエレクトロサウンドと、克哉(G)の重厚なリフも轟くソリッドなバンドサウンドの融合が、こんなにも鮮やかに果たされるものなのだろうか。ただ踊れるだけではなく、フロアから伸びやかな歌声を導く演奏としてしっかり機能している。「今日は過去最高のライヴにしようぜ、なあオイ!」とTAKUYA∞は当たり前のように言う。彼はいつでも本気でそれを目指しているし、実際に辿りつけるのではないかという気持ちにさせるのである。

1年前のバースデーを仙台のライヴで迎えたことを振り返り、「あの仙台を、横浜アリーナが越えられるわけがない!」と観客を挑発して飛び込む“NO.1”。彰(G・Programming)の太くエモーショナルなギターフレーズがまた、オーディエンスを煽り立てるようだ。今回も前日から横浜アリーナに泊まり込んだことを告げるTAKUYA∞は、「世間からすれば何でもない日だよ。こんなド平日にこんなたくさんの仲間を集めておいて、普通のライヴできるわけねえだろうが!!」と咆哮を上げていた。そしてUVERworldの多彩な表現の引き出しが次々に解放される楽曲群を、あるときは野太いシャウトで、あるときは切れ味鋭いラップで、そしてあるときは伸びやかな美声で、乗りこなしていった。

真太郎は「お前ら、一回もおめでとうって言ってないやろ!……ははは、そんなおっきい声で言ってもらったら、俺も嬉しい」「TAKUYA∞と言えばこの人でしょう。一言いただきましょう!」と告げ、誰かスペシャルゲストでも招かれるのかと思いきや、スポットライトが当たるのは信人(B)である。「TAKUYA∞は、幼稚園の頃から強く生きたいって言ってて。じゃあ俺は弱く生きようと、隣で思ってました」と笑わせたり、自分たちが生きてきた時代の経済と日本の財政事情についてブツブツ言っていたり、オーディエンスに「貝になりたい、って10回言ってください」と要求したり、「幻想のままで、いたいときもある!」と“ナノ・セカンド”の歌詞をもじってみたりで、シュールかつ無軌道なMCを飛ばしまくっていた。

それでも再びバンドの音が鳴り出せば、“誰が言った”や“6つの風”で強靭なメッセージと共に6人の鉄壁なコンビネーションが形作られるのだから、バンドというのは面白いものだ。信人はユーモラスなワルツのステップを決め、その後もアップライトベースをブンブンと唸らせたりと見せ場を作る。そしてTAKUYA∞は、「俺がときどき空を見上げているのは、天気を気にしているわけじゃない。何か願い事をしているわけでもない。大切な仲間の何人かが空にいるから、俺はときどき上を見ながら歩く」と語って“ハルジオン”を歌う。さらに、「俺は、すごく近い人に、近い歌を届けていたんだなと思って。これは俺たちの(ステージとフロアを指し示す)実際の距離じゃなくて、心とココロの、距離の話」とその“心とココロ”を届けるのだった。美しい楽曲が胸に染み入る時間帯だ。

いつもはメンバーで話し合っているセットリストを、この日はTAKUYA∞ひとりで好きに決めたことを告げ、「俺、音楽大好きなんだ。もっと音楽で遊んでみようと思って」と設けられたコーナーは、彰がアコギを奏でる中、「俺、ギターで作曲することが多いんだけど、この音色が大事なんだ。この音色を聴いて、メロディや言葉が降りてくるんだよ」と語りながら同一のコード進行で様々な名曲を歌う、という趣向である。一青窈“ハナミズキ”、秋川雅史“千の風になって”、AKB48“恋するフォーチュンクッキー”とリズムを変えながら次々に歌い、「みんなも、このコード進行で、好きなメロディと言葉を乗っけていいんだぜ」と同じコード進行の“7日目の決意”に繋いでみせる。自己表現が生まれる瞬間の奇跡を極めてポップな形で伝えるという、秀逸なパフォーマンスであった。

そして、克哉、信人、誠果、彰がそれぞれフロアに設置されたリフターに乗り込み、高く上昇しつつソロを繰り出すインスト曲“Massive”の後には、アップリフティングな必殺曲を連打していく。天井知らずのフロアを更に沸騰させ続け、そしてTAKUYA∞は、「ここにいる信人だって幼稚園から一緒だけど、十代の頃とか、二十歳になったらないけど、何度も殴り合いの喧嘩したよ。こんないいやつなのに、分かり合えないんだよ。自分のキャパが狭すぎて、自分の枠に押し込もうとしすぎて。でも30を過ぎて、大切な仲間がたくさんできて、要るものは要る、要らないものはもう手にしないって、思えるようになった」と、年齢を重ねることの価値について語っていた。

オーディエンスに目一杯熱いメッセージを投げかけ、また楽曲に向かおうとするのだが、なんとここでTAKUYA∞、曲順を間違える痛恨のミスである。「ちょっとここ開けて。入りたい」と床を指して嘆いていたが、ここからの立ち直りが凄かった。メンバーと打ち合わせして、再び「同じコード進行で歌えるコーナー」をスタートさせる。ミニー・リパートン“ラヴィン・ユー”やB’z“いつかのメリークリスマス”、松浦亜弥“Yeah!めっちゃホリディ”などを歌ってUVERworldの“体温”に繋ぎ、アリーナをじっくりと温めなおす。そしてあらためて、年末の、年齢を重ねる感慨を乗せた“Ø choir”で盛大にカチ上げるのである。

一旦は決めゼリフを繰り出し、ステージから去ろうとするのだが、「ゴメンもう一曲やっていい!? 今日、俺、誕生日だかんな!? 貴重な時間をごめん、もう一曲分だけ俺に時間をください!!」という言葉に大歓声が上がる。急遽追加の“MONDO PIECE”にオーディエンスは肩を組み、笑顔の大合唱で応えるのだった。失敗さえも踏み台にして更に高く跳躍するという、TAKUYA∞の機転の鋭さと鋼のメンタリティを思い知らされるバースデーライヴだ。次回のライヴは12月25日の日本武道館、恒例クリスマスライヴだが、チケット入手が激戦を極めるUVERworldだからこそ、「いつかどこかで、また必ず会おうな!」と約束するTAKUYA∞の気遣いにも、ほろりとさせられる一夜であった。(小池宏和)

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