2016年4月4日、「ねごと presents“お口ぽかーん！？～つまり2マンツアー 2016～」のファイナルがTSUTAYA O-EASTで行われた。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。

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昨年開催されたねごとの全国ワンマンツアー「ねごと presents“お口ポカーン？！～VISIONは続くよどこまでも～」の番外編、「ねごと presents“お口ぽかーん！？～つまり2マンツアー 2016～」のファイナルがTSUTAYA O-EASTで行われた。本編のツアーで回り切れなかった全国5ヶ所を巡る2マンツアーの有終の美を共に飾る相手として選ばれたのは、紅一点バンド・パスピエ。女性ヴォーカルという共通点を持ちながらも異なった音楽性を楽しむことができた、贅沢な一夜となった。

青く染められた幻想的な空間に大胡田なつき（Vo）、やおたくや（Dr）、露崎義邦（B）、三澤勝洸（G）、成田ハネダ（Key）の5人が現れると、SEに合わせて叩かれたハンドクラップは拍手に変わった。そして「こんばんは、パスピエです」との大胡田の挨拶も早々に、一発目からキラーチューン“トキノワ”で攻め立てると、フロア前方にファンが一気に押し掛ける。その光景に触発されたように三澤が露崎の元に駆け寄りプレイしたり、続く“とおりゃんせ”で大胡田が身体全体を使って楽曲の持つ緊迫感と開放感の二面性を演出したりと、その躍動感溢れるステージングに一秒たりとも目が離せない。MCでは成田が「女性ヴォーカルバンドの対バンだから野郎率が高いな」とこの日の客層に触れ、ねごとに関しては「俺たちは擦れてるなぁと思うわ、あんなピュアさは小学生くらいの時に置いてきた」と話しフロアを笑わせた。そして大胡田が「ねごとのファンの皆さんにも何か残せて帰れるように良いライヴをしたいと思います」と宣言し、“フィーバー”で後半戦がスタート！回文が織り交ぜられた“蜘蛛の糸”の独創的な和空間から壮大な盛り上がり見せたラストの“MATATABISTEP”に至るまで、フロアを魅了し尽くした大満足のアクトだった。

●セットリスト
01. トキノワ
02. とおりゃんせ
03. 裏の裏
04. チャイナタウン
05. フィーバー
06. 蜘蛛の糸
07. シネマ
08. MATATABISTEP

そして、パスピエが最高の状態で繋いだバトンを引き継いだねごと。暗転と同時に幕が上がり、目の前に現れた蒼山幸子(Vo/Key)、沙田瑞紀（G）、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr）の4人を期待に満ちた大拍手が迎えた。そして「NEGOTO」と書かれたバックフラッグが降りてくると同時に“DESTINY”をしっかりと奏で上げた。「いけますか渋谷？」との蒼山の掛け声に大声援で応えた会場は、続く“シンクロマニカ”“真夜中のアンセム”でも大きく盛り上がった。MCでは藤咲がライヴ会場での女性のハンデを解消するために設けられた〈女性＆子どもエリア〉について説明。「協力してくれる男の子たちには本当に感謝だね」と話し、全員が楽しめる為の彼女たちの気遣いに賛同の拍手が鳴った。そして「自由に楽しんでいってください」という蒼山の言葉の後に“未来航路”の音が明るく広がる。さらに沙田のギターリフが心地良い“黄昏のラプソディ”、澤村が叩き散らす男子顔負けの迫力のドラミングが冴える“GREAT CITY KIDS”を経て、アンセムナンバー“カロン”へと流れ込んでいった。そしてパスピエとの対バンに喜びを表しつつ、蒼山が「久々の対バンツアーだったけど、やっぱり対バンっていいなと思った」と振り返り、ツアー前に作っていたという新曲を連続披露！これが度肝を抜かれる完成度で、〈ねごと＝ポップ・ファンタジック・ドリーミー〉というイメージを良い意味で裏切るサイケロック感全開チューン！ 本当にねごとの曲？ と思わず疑ってしまうほどの異彩を放っていた。前回と今回の2大ツアーを経た彼女たちの進化が如実に表れていて、その溢れんばかりの自信は“ループ”“nameless”を経て、ミラーボールを使った演出が煌めいたラストの“endless”に至るまで強く感じられた。

そしてお決まりの「バンホーテンコール」に応えて澤村によるバンホーテンココア一気飲みから始まったアンコール。「今のモードを感じてもらえるライヴにしたかったから、楽しんでもらえたなら嬉しいです」と蒼山が挨拶すると、明るく照らされた会場に“sharp ♯”のポジティブナンバーが響き渡り、「本当に最後の曲です」と“憧憬”でファイナルを締めくくった。ツアーファイナルといえど、新曲を聴いた限りではねごとの滑走が止まる様子は一切ない。更なるステップを踏んだねごとの今後に期待を抱けた素晴らしいアクトだった。(峯岸利恵)

●セットリスト
01. DESTINY（long ver.）
02. シンクロマニカ
03. 真夜中のアンセム
04. 未来航路
05. 黄昏のラプソディ
06. GREAT CITY KIDS
07. カロン
08. （新曲）
09. （新曲）
10. ループ
11. nameless
12. 透明な魚
13. endless

EN1. sharp♯
EN2. 憧憬

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