【コラム】UVERworld、女crewとガチ激闘! 男性ライターから見る「女祭り」のアツさとは?

『15&10 ANNIVERSARY LIVE』 完全限定盤

UVERworldの来る新曲や夏季ツアーも楽しみだけれど、その前に、映像作品『15&10 ANNIVERSARY LIVE』(発売中)に触れておかなければならない。昨年の同ツアー、国立代々木競技場第一体育館4デイズのうち2本のライブが収められた作品だ。ディスク1「結成15周年&デビュー10周年記念LIVE」代々木2日目の模様であり、RO69ではライブレポートも書かせてもらった(こちら→http://ro69.jp/live/detail/130460)。

もちろん、祝祭感と幸福感(と少々のハプニング)に満たされる凄いライブだったのだが、それよりも個人的に楽しみにしていたのは、ディスク2に収められた9/6の女祭り=「Queen’s Party」2日目の模様である。なぜって、観たことがないからだ。男祭りこと「King’s Parade」は映像作品化もされているが、女祭りが映像化されるのは今回が初めてなのである。

ゴリッゴリに鍛え上げられたUVERworldのサウンドと、女性オーディエンスのコールが正面衝突する、デビューアルバムから10年目の“Burst”。その直後、TAKUYA∞(Vo・Programming)は「女ナメんなって気持ちで来てんだろオイ!!」と煽りまくり、誠果(Sax・Manipulator)のソウルフルなサックスプレイが咲き乱れる“GOLD”では、無数の女性オーディエンスが共に歌声を上げ、踊りまくる。生身で触れるライブ体験とはやはり別物なのだろうな、という部分を差し引いたとしても、その熱さ華やかさは十分に伝わってくる内容だ。下ネタばかり言う真太郎(Dr)も「あー、愉快愉快!」とご満悦である。

よくステージ上でも語られているように、かつてUVERworldは多くの女性ファンに支持されていたバンドだった。作品群を次々とチャート上位に送り込んでいたにも関わらず、それに甘んじることなく「男にも認められたい」という思いを抱き、新たな作品を生み出しメッセージをしたためてきた。小さなライブハウス規模からスタートした男祭りは、今やアリーナ規模を埋めるまでになった。そういうロックな物語が、UVERworldの軌跡として表れたのである。女祭りは、拡大してきた男祭りに対して、新しいモチベーションとロックな物語を紡ぎ始めている。だからこそ、このタイミングで初めて映像化されたのではないか。

完全生産限定盤に同梱されたブックレット「THE WORDS」には、ライブフォトと併せて、デビュー以来のシングル曲やアルバム曲から抜き出された歌詞フレーズの数々が記されている。幾つもの熱いメッセージの果てに辿り着く“I LOVE THE WORLD”では、あの鋭く響くフレーズだけが引用されている。UVERworldの物語を集約したかのような感動的な1ページなので、ぜひ手にとって触れて欲しい。(小池宏和)