【完全レポ】桜井和寿×GAKU-MC=ウカスカジー、初のツアー完走! 「一生こんなことやってたい」

pics by 樋口 涼

ウカスカジーが、7月16日に自身初のツアー「ウカスカジー はじめてのツアー HAPPY HOUR 追加公演~NEW ALBUM Release Party “おめでたい私たち”~」のファイナル公演を豊洲PITで開催した。RO69では、この模様をロングレポートでお届けする。

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●セットリスト
1.勝利の笑みを 君と
2.手を出すな!
3.サンシャインエブリデイ
4.握手
5.Anniversary
6.遠くに行くぜ
7.Celebration
8.晴男伝説
9.雨のち晴れ
10.HAPPY HOUR
11.My Home
12.春の歌
13.縁 JOY AMIGO
14.mi-chi

encore
1.ミファンダえかきうた
2.昨日のNo, 明日のYes
3.前を向け!
4.Tシャツと私たち

「またやろうね」という言葉に約3000人の観客が歓喜した。Mr.Childrenの桜井和寿とラッパーのGAKU-MCによるユニット、ウカスカジー。音楽とサッカーをこよなく愛する2人が、2014年のFIFAワールドカップブラジル大会に向けてアンセムを作るべく集結。結果として“勝利の笑みを 君と”が日本代表公式応援ソングとなった。しかし当初の目的を達成した今、彼らが活動を続ける理由は何なのか。この日の公演は、その答えが伝わってくるものとなった。

ウカスカジーが2016年7月16日、豊洲PITにて「ウカスカジー はじめてのツアー HAPPY HOUR 追加公演~NEW ALBUM Release Party “おめでたい私たち”~」を開催。初ツアーの追加公演と、2年ぶりとなる新作『Tシャツと私たち』のリリースパーティーを兼ねた本公演だが、桜井のMCによると、そもそも新作の発売はライブを計画したところ持ち曲が足りないと気づいたことがきっかけだそう。だから7月13日、追加公演の前にようやく発売されるという異例のタイミングとなった。

まず現れたのはDJダイノジ。洋邦のヒットメドレーで会場の温度を上げ、特にMr.Childrenの“エソラ”が流れると合唱が巻き起こるなど、盛り上げ役を見事に務める。いよいよ待ちに待ったウカスカジーとバンドメンバーが登場! いきなり桜井が“勝利の笑みを 君と”をアカペラで歌い出すと、フロアは一気に沸騰状態へ。「いこうぜー!」というGAKU-MCの煽りとともに、壮大なシンガロングが響いた。桜井和寿の声はそれ自体に大衆性があり、GAKU-MCには一瞬でその場をホームに変える力がある。そんな2人の組み合わせは、やはり向かうところ敵なしだ。

「いつも言ってますけど、お客さんではなくコーラス・アミーゴ。入場料ではなく参加料。そう思ってますから、頼むよ!」とハッパをかけながら、1年前の豊洲PITで初披露した“Anniversary”などを届ける。次の“遠くに行くぜ”はライブ限定のカバー曲。Run-D.M.C.とエアロスミスがコラボレートした“Walk This Way”に日本語詞をつけたものだ。大好きな曲によってキッズ心を刺激されたのか、桜井は間奏でヘッドバンキングを披露。GAKU-MCは曲終わりに「一生こんなことやってたいね」と語るほどの熱演となった。

“Celebration”に続き、互いに歌ってほしい楽曲を演奏するコーナーへ。GAKU-MCの“晴男伝説”を桜井が、Mr.Childrenの“雨のち晴れ”をGAKU-MCが歌うという貴重な展開に、コーラス・アミーゴたちも声を張り上げる。続く“HAPPY HOUR”は会場中がお揃いの振りでダンスを楽しみ、“縁 JOY AMIGO”でタオルを振り回す。そして《あー 生きてるって感じ》、《あー 最高って感じ》という歌詞の、まさにその感じを体現した“mi-chi”であっという間に本編が終了した。

アンコールはウカスカジーが所属するMIFA(Music Interact Football for All)のゆるキャラ、ミファンダの“ミファンダえかきうた”から始まり、GAKU-MCの“昨日のNo, 明日のYes”では間にMr.Childrenの“名もなき詩”を挟むスペシャルアレンジが飛び出し、“勝利の笑みを 君と”をサンバ仕様にチューンアップした“前を向け!”ではサプライズゲストとしてふなっしーが登場! 新作表題曲の“Tシャツと私たち”をもって贅沢な一夜を締めくくった。

豊洲PIT、この会場がオープンした背景をご存知だろうか。PITは“Power Into Tohoku!”の略。つまり東日本大震災における復興支援活動を継続するために、その拠点として開設された場所なのだ。隣にはMIFAが設立したMIFA Football Parkもあり、サッカースクールなどで賑わっている。音楽もサッカーも、ともに楽しむことでひとつになれるコミュニケーション手段だ。コミュニケーションは人生に不可欠なもので、その質を向上させようと思えば、復興支援活動と同じく継続性が求められる。だからウカスカジーは、音楽とサッカーを通してコミュニケーションの機会を作り続けるのだ。楽しむ条件はたったひとつ、参加すること。我々がそこに参加しさえすれば、きっとこの日のような“HAPPY HOUR”が待っているはずである。(秋摩竜太郎)