アリアナ・グランデ、映画『ウィキッド』の演技が好評でいきなりアカデミー賞有力候補に。映画は記録的な興行成績で1位。

アリアナ・グランデ、映画『ウィキッド』の演技が好評でいきなりアカデミー賞有力候補に。映画は記録的な興行成績で1位。

アリアナ・グランデが出演する映画版『ウィキッド ふたりの魔女』(2025年春 日本公開)がこの週末にアメリカで公開となった。興行成績は1位の予定で、ブロードウェイの映画化としては新記録となる1億1400万ドルが見込まれている。今年公開の作品では3位となる。

予告編はこちら。

この映画は、ギリギリまでメディア用の試写も行われてこなかったので、公開された途端、映画が好評ばかりか、主役のシンシア・エリヴァと、アリアナ・グランデの演技が素晴らしすぎて、2人ともオスカーにノミネートされるのは確実と言われている。

メディアによっては、アリアナ・グランデがオスカーを受賞する可能性もあるとまで書いていたりする。それは少し気が早いと思うけど、でも、観ると彼女の演技に大興奮したくなるのは分かる。

2人とも歌が上手いことは予想できていたけど、ただアリアナも自分で言っていたけど、今回の映画では、普段の歌い方とは違う方法でソプラノの声を出さないといけない。なので、事前に先生を付けてしっかりと特訓したと言うこと。しかも、驚いたのは、先に歌だけレコーディングして口パクで演技したのではなくて、本当にその場で全てライブレコーディングしたと言うのだ。そう思えないくらい完璧な歌声だった。

さらにアリアナの演技の何が素晴らしいかと言うと、観ている人に喜びを与えてくれることだ。そういう演技はなかなか難しいし、とりわけ今のような時代に最も必要と思える演技でもある。しかも、彼女はそれをコメディでやってのけているのが最高なのだ。コメディのニュアンスとバランスは最も難しいとすら思うし、しかしそれが完璧なのだ。もちろん監督のジョン・M .チュウの演出と才能でもあると思う。

アリアナは、『ウィキッド』がブロードウェイで上映されていた時からのファンで、「自分がこの21年映画化されるのを待っていたファンの1人だから嬉しいとともに、それに自分が出演できるなんて一生に一度と言えるくらいの光栄」とも語っていた。

実際アリアナは、10歳の時に『ウィキッド』を観て、彼女が演じているグリンダを演じたいと言っていたのだそう。ブロードウェイで彼女の役を演じたクリスチャン・チェノウェスがTV番組に出演し明かしている。

「アリアナのことは彼女が10歳の時から知っているんだけど、私の控室に来て、『グレンダを演じたい』と言ったの。『絶対に演じることになると思うわ』と答えたの。それでその時、彼女が少し歌ってくれたのだけど、(それが素晴らしくて)『あなたに魔法の杖をあげるわ』と言ってプラスチックのをあげて、それからバスソルトもあげたくらいだったの。とにかく何かあげなくちゃいけないと思ったから。アリアナは、恐れ多くてそれは使えないまま持ってると言っていたけど。『あなたは特別な才能を持ってると思う。だから絶対成功すると思う』と言ったの。

それでコロナ禍に彼女はオーディションをして、この役を射止めたの。だから本当に彼女のこと誇りに思う」

アリアナクラスでもオーディションしなくちゃいけなかったというのも少し驚きだ。

もちろん、サントラも発売になっているし、ストリーミングサイトでも聴ける。

アリアナは今年はアルバム『Eternal Sunshine』を発売し、アルバムが1位となったばかりか、シングル”Yes, And?”と”We Can’t Be Friends (Wait for Your Love)”も1位を獲得。今回は映画でも1位。アルバムとシングルと映画が1位となった今年唯一のアーティストになる。グラミー賞では3部門でノミネーションされ、残念ながらアルバム賞などの主要部門にはノミネートされなかったのだが、その代わりというわけではないけど、オスカーにノミネートされる可能性が大なのだ。

アカデミー賞のノミネートの発表は1月17日、アカデミー賞受賞式は3月2日だ。
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