【完全レポ】ラストには本人登場! GReeeeN@さいたまスーパーアリーナ、愛しかなかった

グリーンボーイズ
グリーンボーイズ

GReeeeNが、2016年1月7日にさいたまスーパーアリーナで「あっ、リーナ、ども。はじめまして。『クリビツテンギョウ!? ル~デル~デ♪』」を開催した。RO69ではこの模様をロングレポートでお届けする。

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●セットリスト
・グリーンボーイズ
1. キセキ
2. 声

・GReeeeN
1. キセキ
2. パリピポ
3. weeeek
4. あいうえおんがく♪
5. オレンジ
6. UNITY
7. ソラシド
8. 扉
9. ソビト
10. 僕らの物語
11. 遠くの空 指さすんだ
12. 愛唄
13. 暁の君に
14. Green boys
15. 虹
16. 花唄
17. イカロス
18. 旅人
19. 笑顔
20. 卒業の唄 ~アリガトウは何度も言わせて~
21. 遥か
(アンコール)
22. BE FREE
23. キセキ
24. 道

2007年1月24日にシングル『道』でデビュー。今月10周年の記念日を迎えるGReeeeNが自身初のアリーナライブを開催した。1日限りのお祭り的ワンマンということもあって、開演前から場内では様々な催しが行われたこの日。オープニングアクトでは、映画『キセキ -あの日のソビト-』にてグリーンボーイズを演じる菅田将暉(ヒデ役)、横浜流星(ナビ役)、成田凌(クニ役)、杉野遥亮(ソウ役)が登場。CDデビューに先駆け歌声をお披露目したのだった。

そしてライブ本編へ。メンバー全員が歯科医師免許を持ち、医療との両立のため顔出しをせず音楽活動をしてきたが、そのため、彼らのライブはモーションキャプチャ技術を駆使し、データ化したメンバーの動きをスクリーンに映し出す形式が採用されている。それはこの日も同様。4人の姿とともに歌詞が投影されるなか、1曲目“キセキ”から客席のあちこちで緑色のサイリウムが大きく揺れていた。“パリピポ”ではキッズダンサーが登場。“weeeek”ではテープキャノンが発射。“UNITY”では観客が一斉にタオル回しを――と場内の熱量は急上昇。「今日のこの楽しい時間が終わっちゃう前に、後悔のない、最高の今日を送れることを誓えますか!?」(HIDE)と、メンバーも客席を盛んに煽る。

架空の学校「ルーデルーデ学園」をコンセプトにしたライブだったため、学校行事を模した企画がふたつ行われた。ひとつ目は「大運動会」のコーナー。ここでは次に披露される曲目を賭けて観客参加型の大玉転がしが行われ、その結果、10曲目には“僕らの物語”が選ばれた。そして、ふたつ目は「文化祭」のコーナー。ここではnaviによる振り付け指導が行われ(案外難易度が高い!)、“遠くの空 指さすんだ”ではお揃いのダンスをみんなで楽しんだのだった。

そんななか、改めて実感するのはこの空間の特殊さである。10年間まっすぐなメッセージソングを歌い続けたアーティストがいて、それに励まされた聴き手がいて、そういう「ひとり」が「GReeeeN」という共通項を元に集まって「ライブ」という場を形成している。客席を見ていると、それぞれの曲に自分だけの想いを重ねながら自由に楽しんでいることがよく伝わってくる。本人不在のバーチャルライブであることは確かだが、開演直後から、もっと言うとそれよりも前の段階から、場内は無数の愛によって満たされていた。そうして本編ラストに披露されたのは“遥か”。日常生活に戻って、また次の一歩を踏み出していく「ひとり」の背中を押すような応援歌である。

しかし、アンコールではサプライズが。なんと、メンバー4人がステージ上に登場したのだ! 紗幕越しにHIDE、navi、92、SOHが姿を見せると、両脇にはサポートバンドもスタンバイ。生演奏でまずは“BE FREE”を披露。「みなさんの声が聞きたくて、みなさんとひとつになりたくて、さいたまスーパーアリーナにやってまいりました!」とnaviが伝えると、大歓声が上がったのだった。《みんなを愛してる》と最後に付け加えた“キセキ”のあと、「この曲ができた時、こんなに大勢の人と歌える曲になると思ってなくて……宝物になりました」と感謝の気持ちを伝えたのは92。「今日ステージに立つのを心待ちにしていました。なぜなら、みなさんを目の前にして言いたい言葉があったからです。デビューから10年間、本当に応援ありがとうございます!」とストレートに語ったのはSOH。「ちょっと胸がいっぱいですね」と噛み締めながら、「これからもこの4人で進んで、時にはみなさんを引っ張ったり愛をもらったりしながら、GReeeeNとして続けていきたいと思っていますので、今後とも応援をよろしくお願いします」と挨拶したのはnavi。そして「僕らそれぞれ歩いてきた道が合わさって、大きな一本道になり、10年間こうやって走ってきました。これから先もその道は続いていきます。それはたぶんみなさんも一緒です」と話したのはリーダー・HIDEである。

そのあとHIDEは、例えあなたが希望という名の光に背を向けてしまうことがあっても「こっちじゃないの?」と言いながら前を歩けるような、「いつも一緒にいる影のような存在でありたい」と観客に伝えていたが、その表現のしかたがあまりにもGReeeeNらしくて、心が温かくなった。人生という道を歩いていく中で出会う感情は、喜びや希望よりも不安や悲しみ、絶望の方が圧倒的に多い。だからこそ、挫けそうなあなたの一番近くでGReeeeNはまっすぐな歌を歌い続けるのだろう。そしてそんな彼らの音楽を「人生の1ページ」として心に刻むファンに愛され支えられながら、彼らの活動は11年目へと突入していく。人差し指を一斉に掲げた“道”を歌い届けたあと、手をつないでお辞儀をしてからステージをあとにした4人。エンディングムービーのラストに映された手書きメッセージには「一緒に全部引き連れて、生きていこう!」という言葉があった。(蜂須賀ちなみ)

なお、この模様は2017年1月28日(土)夜8:00からWOWOWで放送される。

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