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2023年にバンド結成25周年、メジャーデビュー20周年という節目を迎えた後のアルバムに『The Ordinary Road』(=何の変哲もない道)というタイトルをつけ、ジャケットはビートルズの『アビイ・ロード』を思い起こすデザイン(かつ4人のメンバーはそれぞれの方向へ歩いている)なんて。まさにストレイテナーらしさが総括されている。“COME and GO”には《走る岩》《泳ぐ鳥》《叫ぶ星》と、これまでの曲名が出てくるし。“Uncertain”からは《生まれ変わってもまたよろしくね》という感動的なフレーズが聴こえてくるし。全10曲の曲調も、様々な時期のストレイテナーが見えてくる彩りがある。でも、これらは恐らく彼らの意図ではなく、たまたま重なってブワーッと出てきたのだと思う。本当にミラクルだ。いつまでもフレッシュなアンサンブルを響かせながら、さらっとテクニカルに、自分たちと音楽の「今」を見せる。そんな一枚に『The Ordinary Road』と名づけるロックバンド、世界中を見渡してもストレイテナーしかいない。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より)
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