ノエル・ギャラガー、U2ボノの酒豪ぶりに脱走を企てたことを明かす。「ボノは人間じゃない」


その日またボノのゲスト・ハウスで目を覚まして、さらにその翌日のパリ公演に備えてその日パリに飛ぶことになってたんだ。この頃には俺もツアー・マネージャーにこぼしてて『ニール、ちょっと俺を迎えに来てほしいんだけど。俺もうこいつらについてけねーから』って相談して、『じゃあ、荷物をまとめて12時15分前に迎えに行くから』ってことになってずらかることにしたんだけど、荷物を持ってボノん家の庭を歩いてると、『なに鞄持って逃げようとしてるんだよ? しかも、挨拶もなしで?』ってボノにみつかって、『いやまあ、ずらかろうと思って。もうへろへろなんだよ』って言い訳しながらボノのガウン姿を拝むことになったんだよ。

それからボノはスクランブルエッグの朝食にビール2本飲んで、その間、ずっとオペラを流してて、『どこへ行くの?』って訊いてくるから『どこへ行くのってパリだよ。ライブがあるだろ』って答えると、『そういうことなら俺たちの自家用機で行けばいいじゃん』って話になって、自家用ジェットに乗り込んでその中でまた酒盛りだよ。

で、ここからが本当にすごいんだけど、パリにジェットが着くと、ボノは『俺はちょっと用事があるから後で会場でね』って言って別れて、俺はもう『よかった』って安心したんだ。『ボノとのツアーが終わったらまずリハビリ施設で酒抜きたいよ』って思ったくらいで(笑)。そうやってボノはいなくなった後、俺は宿のホテルに着いて、テレビのリモコンを探し当てるまで20分かかって、それからクラブ・サンドイッチを注文したいのに電話の相手が英語もフランス語もまともにできないから注文するまでまた10分くらいかかったんだよね。それでやっとソファーで落ち着いてテレビをつけてみてると、いきなりボノが映ってて、フランスの総理大臣と一緒に記者会見やってて、アフリカについて話してるんだよ。

だけど、俺はその前の2、3日間ずっと一緒にいたわけで、だから、ほんと思ったよ。『こいつ人間じゃねーから』って。おかげで、その次の日のライブじゃ俺は飲み続けてきたビールがそのまま汗になって出てきてたくらいで(笑)。その一方でボノはステージで24歳くらいの若造みたいな歌を聴かせてて、俺は『もう勘弁してくれよ』って思ったよ」


U2 - With Or Without You

また、今の若いアーティストがロック・バンドをやって活動を始めるのと、90年代に同じことをやるのとではまるで環境も意味合いも違うのではないかという問いには次のように答えている。

「っていうか、今20歳で音楽業界に入るってことになったら、その前になにがあったのかは知らないわけだ。だから20歳の人間がその違いを知ることはないわけだけど、90年代っていうのは、今になってようやくたくさんの人たちがあの10年がいかに素晴らしい時代だったかって気づき始めてるんだよ。政治、ファッション、音楽、スポーツ、すべてについてね。

時代を越えたものがいろいろ登場したからね。『トレインスポッティング』もそうだし、オアシスブラー、パルプとね。それといろいろすごいキャラクターの人物がいたんだよ、これはみんな忘れがちなんだけど、プリンス・ナジーム(プロボクサーで、元IBF・WBO・WBC世界フェザー級王者のナジーム・ハメド)とかさ」


Oasis - Supersonic
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