「これだけはそっち(日本)のみんなに言っておきたいんだけどさ。っていうのも、もうここ数年、そっちに行ってないからね。とにかく、みんなが元気でいられることを願ってるし、健康と安全には気を付けてくれよ。そっちに戻れる日が来たら、必ずまた会おうぜ!」
こんな時だからこそ、肝の据わったこの男が求められる。キース・リチャーズ。60年代、オルタモントでヘルズ・エンジェルスに一人で立ち向かい、80年代のハンプトン・コロシアムでは、ステージに駆け上がってきた男をギターでぶっ飛ばし、69 年から長く、次の死亡者予定リストの首位を走り続けてもいた。
そんな彼が未曾有の状況下にあるエンタメ業界を鼓舞するかのように長いキャリアでも特別な88年のソロ・ツアーのライブ盤『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・パラディアム』のリマスター・バージョンをリリースする。ファースト・ソロ『トーク・イズ・チープ』を作ったスティーヴ・ジョーダンやワディ・ワクテルなど腕利きたちが揃ったエクスペンシヴ・ワイノーズ(高価なワイン中毒者たち)とのライブは、ローリング・ストーンズとはまったく違った体験をキースにも与えることとなった。
いつも絶対に期待を裏切ることのない人らしく、今回も、率直、正直にあのライブへの思いを話してくれた。ストーンズ関連の質問はNG、という事前の約束があるのもよく理解しているのだろう、さりげなく彼から触れてくれるあたり、さすがだ。(高見展)
キース・リチャーズのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。
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