ジャック・ホワイト、ダフ・マッケイガンとのインタヴューで自分について書くのはつまらないと語る


折に触れてロック・ライターとしても腕を奮う元ガンズ・アンド・ローゼズのダフ・マッケイガンの取材を受けて、ジャック・ホワイトは楽曲で自分について語るのは退屈だと語っている。

『シアトル・ウィークリー』誌の記事でダフはジャックの『ブランダーバス』について次のようにジャックに訊いている。「歌詞を書く時にはたくさんの人がいろんなものを利用してるもんだよね。時にはそれは政治だったり、痛みだったりするわけで。傷ついた愛とか、人間関係の軋轢とかいろいろあるけどさ、このレコードでは一貫して同じ響きを持ったテーマみたいなものはあったの?」

それに対してジャックはこう答えている。「自分について書くっていうのは俺はいつも退屈だなあと思うんだ。でも、なにかが自分の身に降りかかった時には、なにかしらの経験をくぐりぬけたなら、たとえば、人生における列車事故に遭っちゃったとか、そういうことがあったら、そういうものが自分のなかにちゃんと存在してないとだめだよね。その列車事故について書くつもりはなくてもさ、書こうとした題材の中に必ず表れるものなんだよ」。

また、このインタヴューでジャックは『ブランダーバス』の楽曲はザ・ホワイト・ストライプスやザ・ラカンターズとはかなり違う形で書かれていて、偶然思いついたものが多いとも説明している。

「数年前だったら、こういうことはスタジオでありえなかったことなんだよね。ザ・ホワイト・ストライプスでも、ザ・ラカンターズでも、アルバムを作らなきゃとなったら、スケジュールは8日間で予算は5千ドル(約40万円)以内だとか、いろいろ自分に重しをつけていったもんだからね」

「それが今じゃ自分のスタジオがあるから、そういうことを強味にもできるわけでね。なんかわけもわからずレコーディングしたものをあとでもう一度吟味したりすることができるんだよ。昔だったら、絶対にそんなことはできなかったからね」

取材の終わりではジャックは次のようにダフに感謝している。「あなたたちの音楽は若かった時は本当にすごい聴いたもんだし、ものすごく影響されたんですよ。それをすべて感謝してます」。

それに対してダフはこう応えている。「ジャック、ありがとう。きみのやってることは最高だと思ってるし、大好きなんだよ。新作もすごくいいし、本物感がすごくて、そこかしこで聴かせる本物としての凄味が大好きなんだ。こういうのは最近滅多にないからね。それをやってくれてありがとうと俺は言いたいよ」

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