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 それにしてもなんでこんなに人がいるんだ? 渋谷陽一の前説であったように2日目のチケットの売上は好調とはいえ、まだ開演していないのに、EARTH STAGEは半分以上埋め尽くされている状態。そんな中、手拍子に迎えられてステージに現れた自称「アイドルになりきれないアイドル」4人組。HUSKING BEEの登場だ。さらにEARTHにわんさかと人が増える。
 去年と同様に“COSMIC RAY”で幕をあけたハスキンのセットは、10年前からシーンを支えてきたバンドなだけに、実にスムーズ。バンドの呼吸、ペース、エネルギー、フロー、どれにおいても文句つけようのない堅実な演奏である(ギター・トラブルが多少あったけど)。特にそれを象徴していたのが、磯部がバックヴォーカルにまわり、ギターの平林にフロントマン役をバトンタッチする“NEW HORIZON”。クライマックスでみせるふたりの狂いのないハモリこそ、バンドとしての力強さを誇示させる瞬間であった。
 バンドの転機とも言える今年発表された新作『variandante』からのセレクションが目立ったセット。昔のレパートリーも“FACE THE SUNFLOWER”や“QUESTION”といった普段のライヴではあまり馴染みのない「隠れ名曲」を演奏し、10年選手の懐の深さがうかがえるものだった。熱い疾走ではなく、温かい抱擁。それこそが今のHUSKING BEEのモードなんじゃないかと思う。それはベテラン・バンドとしての結晶であると同時に、ネクスト・レベルの“Just A Beginning”(ただのはじまり)なんだろう。(内田亮)

1 COSMIC RAYS
2 新旧ダイナミズム
3 NEW HORIZON
4 摩訶不思議テーゼ
5 FACE THE SUNFLOWER
6 QUESTION
7 掌に花片
8 Just a beginning
9 青い点滅
10 新利の風