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 最終日トリ前の時間帯と、オーディエンスの疲れがピークに達する頃だが、場内が暗くなると一気に人が集まってくる。皆まだまだエネルギーは残っているようだ。カラフルに煌く照明の中、メンバーが登場。いきなり人気曲“REMIND ME”! たくさんの拳を前にして、ShirakawaとOjimaのツイン・ヴォーカルは今日も切れまくっている。かわるがわる脳髄の奥の奥までその咆哮を轟かせる。かなりフリーキーかつ的確にグル―ヴを構築していくバンド・アンサンブルは、みるみるうちに会場を制圧した。
 オーディエンスの高揚のツボをすべて熟知しているかのような変幻自在の展開。結成から10年以上が経ち、ドラスティックな音楽性変化を遂げてきたBACK DROP BOMB。もはやミクスチャーの枠組みからも逸脱した、彼らにしか作り出せないグルーヴを湛えたオリジナルサウンドは、ここにきてますます研ぎ澄まされている印象だ。ギター、ベース、ドラム、パーカッション、そして声――たくさんの音が強烈な自己主張をしているにも拘らず、ギュルギュルとぶつかり合って摩擦を起こし、ひとつの塊となってフロアを射抜いていた。ほぼMCはなしで、フロアで一斉にタオルが回ったラストまで――その爽快で貫禄のあるパフォーマンスは勢いを落とすことはなかった。オーディエンスも終始踊りっぱなし。数々の大舞台で鍛えあげられたステージング力は揺るがない。まるでそれが当たり前であるかのように顔色ひとつ変えずに彼らは去っていった。その姿にはただ感服するしかなかった。(小松香里)

1 REMIND ME
2 FLIP OUT
3 IN ORDER TO FIND THE NEW SENSE
4 THE AIR
5 FROM EXPERIENCE
6 R.O.C.K.S
7 NEVER SHINED
8 YOU UP AROUND
9 MASTADABESTAH