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2日目のMOON STAGE後半戦、1発目を飾ってくれたのはCORNER。あくまで自然体な雰囲気でステージが始まると、フォーキーなギターと共に磯部の声が響く。ハスキング・ビーと較べると音はアコースティックなものだが、実はそこに乗せられているエモーションは同じくらいダイナミックで、鋭いものだ。特に白眉だったのは“角度のカクゴ”、そして新曲“散るチル満ちる”。各楽器の響き、アンサンブル、磯部の歌、すべてが見事。落ち着きながらも熱い、そんな歌を彼は披露してくれた。



続いては初登場となるHIFANA。自ら「わんぱく電化製品チーム」と言っていたが、サンプラー、ターンテーブル、CDJ、電子パーカッション、生のパーカッションを並べ、すべて手動操作。こすっては叩き、叩いてはこすり、ビートを操っていく。まさにビートの博覧会状態。そして、最後はお正月らしく、そのまんま“和モノ”。お得意の1フレーズごとに2人の機材を入れ替える“二人羽織”も披露。最後のサンプリング一打は「拙者、これにて」。多くの人にとって衝撃だったのではないか。



そして、次はThe かまどうま/エレクトリック・カマドウマ。くるりの岸田繁と、直前のMASTER LOWのステージにも出演していた堀江博久によるこのユニット、なんでも昨年のこのフェスで一緒に「みなとや」のビールを売っていたときに結成されたらしい。奥田民生“息子”、スーパーカー“Lucky”のカヴァーから始まり、その後もCCR、赤い鳥、ビートルズ“Love Me Do”を弾き語りで披露。そして、最後は岸田がドラム、堀江がエレキ・ギターに持ち替えてのセッション。EARTH STAGEのくるりとは一味違う、「忘年会に呼んで下さい」という言葉通りの親近感溢れるステージだった。



この日のMOON STAGEのトリを飾ってくれたのは底抜け爆裂ロックンロール、モーサム・トーンベンダー。“凡人のロックンロール”“ロッキンルーラ”、のっけから文字通りのロックンロール2連発で臨界点に早くも突入。そして、彼らを新章に導いた名曲“アンハッピーニューエイジ”“ペチカ”の2曲で更なる世界へ。ぶっ壊れつつも神々しいそんなロックンロール。“ばちかぶれ!”“13HOT DOGS”最後、アンコールは“GREEN & GOLD”。最っ高!  2日目のMOON STAGEは壮絶に、そして鮮やかに走り抜けたロックンロールで幕を閉じた。(古川琢也)