メニュー




 一つ前のポラリスの終了時間が遅れ、予定よりも20分遅れで始まったモーサム・トーンベンダー。しっかし、すごい人だかりである。この殺伐とした音楽がこれだけの人にウケてるというのは本当に最高だ。それに応えるかのようにとてつもないノイズの疾走ナンバー “DUM DUM PARTY”で始まったのだが、流れが大きく変わったのは4曲目の“GREEN & GOLD”。モーサムの魅力は殺伐とした世界観に個々のメンバーのプレイヤビリティによって奥行きが与えられてることで、この曲はその典型のような曲だが、ここから世界観の陰影が見事に現れてくる。そして異色のダンストラック“hang song”を挟んで、最後は“凡人のロックンロール”。モーサムならではの、どこか冷めているのに病的に熱いロックンロール。これがあるからこのバンドはたまらないのだ。
 そして、昨年は初日のトリとしてこのGALAXY STAGEを盛り上げてくれたスネオヘアー。今年はこの折り返し地点での出演だが、いやあ去年以上にロックなステージだった。“CCCDREAM(←『フォーク』のシークレット・トラックです)”“てっぺん”と、ロック・ギター全開の曲でブッ放し、その後は“長い橋”を除いて、すべて新作『フォーク』から。“長い橋”も含めて、ここまでシリアスな曲ばかり連発されるスネオヘアーのライヴは珍しいのではないか。そして、ライヴで生の歌を聴くとなお一層伝わってくるのは、『フォーク』が品の良い前向きポップ・アルバムなどでは決してないということだ。ヒネくれながらも前に進まなければならないという、より深い迷宮への冒険。今回のアルバムが鳴らしているのはそれである。特に最後の“テノヒラ”“ストライク”の2連発がは本当に素晴らしかった。まあ、そんななかでもステージ上でキンタマのポジションを変えるという暴挙(!?)に出て、しっかり笑いもとっていたのだけれど。



 そして、本日6番目にGALAXY STAGEに登場したのはイースタン・ユース。一気に男性人口が増えて、野太い声が上がる。そして、その声は“夏の日の午後”のイントロが聴こえてくると、より大きくなる。この日のライヴは、凝縮したベストというようなセットリストで、長年のファンにはたまらなかったのではないだろうか。そして、もし初めて観た人がいたとしたら、日本のハードコアに大きな足跡を残した彼らの本物さが一発で伝わったのではないか。本当の心の底からの激情と絶叫。彼らはここカウントダウン・ジャパンにも多くの汗と笑顔を残してステージを去っていった。(古川琢也)

MO’SOME TONEBENDER スネオヘアー
1 DUM DUM PARTY
2 NO WAY CITY
3 ラジカルポエジスト
4 BIG-S
5 GREEN&GOLD
6 hang song
7 アンハッピー・ニューエイジ
8 凡人のロックンロール
1 CCCDREAM
2 てっぺん
3 LIST
4 長い橋
5 フォーク
6 テノヒラ
7 ストライク

eastern youth

1 夏の日の午後
2 砂塵の彼方へ
3 Jet man
4 雨曝しながら濡れるがいいさ
5 矯正視力0.六
6 夜明けの歌