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オーディエンスの大歓声と大拍手に迎え入れられながらeastern youthが登場! そしてさっそく「はい時間になりましたー! 30分間、時間持ってます。びっちりやります!」という嬉しい言葉が飛び出して、これにはオーディエンスも大喜びの様子。1曲目の“街はふるさと”で吉野(Vo/G)の情感たっぷりのギター・ソロが琴線をがっちり揺らしたかと思えば、「まともな人間って誰のことだ!」というMCからの“まともな世界”では、吉野が《クソ喰らえだ!》と絶唱し、キャリアを重ねてもまったくブレることのない、愚直なまでにむき出しの魂を取り繕うことなくさらけ出す。彼らのロックは、絶望を包み隠そうとしない。しかし、決してそこにうずくまって立ち止まろうともしない。だからこそ美しく、だからこそ我々を勇気づけてくれるのだ。現実をまっすぐ暴いてみせようとする言葉が綴られたこの曲は本当に、そのことを思い出させてくれる。そして“沸点36℃”、“荒野に針路を取れ”でフロアを揺らせた後、吉野が「今年1年、様々なことがあった……」と、胸に去来する1年間の出来事に思いを馳せてから“一切合切太陽みたいに輝く”へ。最後は「みなさん、最後の曲までご清聴ありがとうございました」と、“夜明けの歌”をプレイ。2009年、吉野が心筋梗塞に倒れ、ツアー休止を余儀なくされたeastern youth。そして今年、見事復活を果たした彼らの歌う「夜明け」には、揺るぎようのない真実としての力強さがただただ存在していた。まるで泣き叫ぶかのように歌う吉野の激情がMOON STAGEのオーディエンスを滾らせて、その圧巻のステージは幕を閉じた。(前島耕)