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さあ、2番手に登場するのは、LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS (Trio)だ。彼らがJAPAN JAMに登場するのは初年度の2010年以来だけれども、ベースに村田シゲ(□□□/CUBISMO GRAFICO)、ドラムスにTDC(FRONTIER BACKYARD)という盟友たちとのトリオ編成で臨む今回のステージは、信頼感に満ち溢れながらもそれ自体が既に一期一会のスリリングなジャム・セッションでもある。歓声を浴びながら姿を見せたイッチャンは「こんにちはー! 今日は3人でやってまーす! いつもよりアレンジも変えてますんで、オ・ド・レー!!」と景気よく挨拶し、身軽で小気味よい、モータウン風のアレンジで” So Easy”を繰り出してくれるのだった。

ウェスタンなロール感の“Makin' Magic”がオーディエンスを弾け飛ばすと、「まだ始まったばっかりだけど、いい仕上がりでしょ。一週間前に出てくれって連絡受けて、衣装も揃ってます! ゲストもちゃんと来てくれてます!」と、イッチャン得意気な表情である。続いては一転、椅子に腰掛けてアコギを爪弾きながら、想いをじわりと空間に滲ませ聴く者の心を鷲掴みにする“Rules”へ。3人それぞれの表現力の高さが遺憾なく発揮されて素晴らしい。でも、「ゲスト呼んじゃう? ダカヒー! 元祖お面ー!!」と最初のゲスト=日高央(THE STARBEMS)を招き入れるなり、彼の雄々しいヴォーカルを核に据えてザ・クラッシュの“Janie Jones”のカヴァーを披露。この顔ぶれになると、本家クラッシュだってこんなにゴリッゴリの音になっていただろうかというパンク・スピリット剥き出しの熱演になってしまうのが面白い。



そして、ダカさんと入れ替わりで姿を見せたのは磯部正文(HUSKING BEE)だ。間を置かずにイッチャンといっそんのハーモニー・ヴォーカルがビシッと立った“Little Giant”や“T・O・A・S・T”を披露してくれる。「俺の曲ばっかやるのもなんだからさあ。一夜漬けで練習してきたよ。この曲の法則が分からなくてさあ。若い頃のいっそんが書いたらしいんだけど。今のじゃなくて、昔のハスキンみたいにパンキッシュにやろうか!」と届けられるのは、初期HUSKING BEEのナンバー“ANCHOR“。更にはいっそんが「このメンバーとやるとは……」と一言呟いてからの、イントロで大歓声を巻き起こす名曲“WALK”を投下だ!



最後にはMAN WITH A MISSIONからトーキョー・タナカも駆けつけ、“SUPER STUPID”〜“WHAT'S BORDERLESS?”という賑々しいSUPER STUPIDメドレーを駆け抜ける。いっそんが、オオカミの顔を書き込んだ、ビークル風の紙のお面を装着しているのも可笑しい。遊び心たっぷりに、日本の90年代から現在までのパンク史を楽々と横断するという、目眩がするようなスピード・セッションであった。(小池宏和)


◆LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS (Trio)
ゲスト・アーティスト:磯部正文(HUSKING BEE)、日高央(THE STARBEMS)、トーキョー・タナカ(MAN WITH A MISSION)

1. So Easy
2. Makin' Magic
3. Rules

with 日高央(THE STARBEMS)
4. Janie Jones

with 磯部正文(HUSKING BEE)
5. Little Giant
6. T・O・A・S・T
7. ANCHOR
8. WALK

with トーキョー・タナカ(MAN WITH A MISSION)
9. SUPER STUPID~WHAT'S BORDERLESS?

all pics by TEPPEI