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ジャカジャカジャーン、とギターを掻き鳴らすだけで大歓声を浴びる山口。やっぱり音楽は、ロックは、人間性なんだなあ。「踊れ、ひたちなかー!」とスタートした初っ端の“青春狂騒曲”の演奏中に「今日はロック・フェスですよね!? 皆さん!」と名調子で煽り立てる。続いて「新曲やっていいすか!? 新曲やっていいすか!?」とパンキッシュな“世界をかえさせておくれよ”へ。スカ風の裏拍を刻む木内のドラミングが、時折ダブのエコーのように印象的なスネアを挟み込んでいくのがかっこいい。一方、「よそじゃなくこのステージにいるだけでね、ロック聴くことしか出来ない人たちなんだ、あんたたちは!」とまで吐き捨てて喝采を浴びてしまう山口である。タイトル未定のロッカ・バラードで、彼のソウルフルな歌が目一杯の魅力を放ち始めた。「茨城県知事がサンボマスターもう出すなと言ってもね、渋谷陽一が山口もう出さねえと言ってもね、まだ行けるっしょみなさん!」という煽り文句に焚きつけられたオーディエンスは、“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”でレイク・ステージ一面に拳を突き上げ、「愛と、平和!」コールを響かせる。本当に、すごいものを見てしまった。(小池宏和)