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毎度お馴染みの“朝礼”兼“前説”で渋谷が「このフェスをいつも支えてくれているバンド」という最高の賛辞とともに送り出したサンボマスター、登場した瞬間からそのテンションは尋常じゃない。「朝っぱらからロック・フェスに来ているやつらはマトモじゃない! でもマトモじゃないやつらが好きなんだよ!」と山口ががなり、“愛しさと心の壁”でスタート。普段はあまりオープニングに持ってこないこの曲で、一瞬にしてGRASSを埋め尽くす万単位のファンのハートを鷲掴みにする。朝一というのに、いきなり完全燃焼。しかし、オーディエンスもそれに負けない。山口も「歌う前から“サンボ”コールで邪魔されることなんか初めてだよ」って歓喜していた観客のリアクションはマジで半端がない。しかもバンドとは違い、ここに集まったクラウドはまだまだ長い一日が待ち構えているというのに。大丈夫か? でも、それこそがサンボの灼熱のこもったステージを物語っていた。“青春狂騒曲”や“世界はそれを愛と呼ぶんだぜ”といったスタンダードはもちろんのこと、「ハードコアやろうと思ったらラヴソングになっていた」(なぜ?)という未発表曲までもぶちかましたセットはただひたすら圧倒的。とはいえ、そのあまりにも度を過ぎた暑苦しさが、一周して、逆に爽やかにさえ思えたのは果たして自分だけだろうか? なにがともあれ、素敵な一発目だった。(内田亮)