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「ひたちなか、準備はいいのか、サボってんじゃねえぞ!」という山口隆(Vo・G)の一喝からスタートしたのは、サンボマスター。さらに、「テレビをつければ毎日オリンピックですよ。このひたちなかで、ロックンロール金メダルを取りたいんですが、いいですか!? サンボマスターと一緒に、ロックンロール金メダルを取ってもらいましょうよ!」と叫び、1曲目の“青春狂騒曲”へ。演奏中も「あれ、今日ロックフェスですよね?」、「まだ信じてねえ奴がいるな、おめえはできるっつってんだよ!」と、コーチさながらに(!!)、オーディエンスを叱咤激励!
そして山口が「ふるさとの歌、歌っていいか? 俺は去年の借りを返しにきた。俺は泣けてこの歌が歌えなかった。今年は、力強く最後までふるさとの歌を歌いたい。力を貸してくれ、君たちの力が必要だ。力貸してくれるか?」と言ってはじまったのは、もちろん“I love you & I need you ふくしま”。山口が高々とピースサインを掲げると、フィールドにピースサインが広がっていく。思いが通じあった素敵な瞬間だ。頭を抱え、拳を握りしめ、心を振り絞るように《ふくしまが好き》と歌う山口の姿からは、何にも勝る切実さを感じた。
リリースされたばかりのアルバムから新曲も。「ロックは死んだとか、日本は死んだ、福島も終わったとかよ、お前たちロックンロール金メダリストだろ!? おめえたち死んだのか!? おい、6万人、死んだのかよ!? おめえが死んでねえことを証明しに来たんだ。おめえが生きていることを証明しに来たんだ。死んでねえんだ!」と叫んではじまった“ロックンロール イズ ノットデッド”。6万人の力強い盛り上がりは、一人一人の「自分は生きてんだ!」という叫びに見えた。
ラストナンバーは“できっこないを やらなくちゃ”。最後は「金メダル!」コールで締め括った。演奏を終えても、フィールドを何度も指す山口、笑顔でオーディエンスを見詰める木内泰史(Dr・Cho)、ステージの端まで走る近藤洋一(B・Cho)と、ギリッギリまで3人は気持ちを伝え続けた。(高橋美穂)